M's project『あの日、僕は知らない夢の中で君と』
人間なら観た方がいいです。そう思って書きました。
とりあえず世界で一番可愛くてときめいちゃう最っ高のオープニング見てもらえますか?!話はそれから!
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何かこう、舞台として照明や音楽があって、あの演出であのキャストが動いてるからここまで魅力的に浮かび上がってる、それで完成ってのをわかった上で、このまま絵本にして街頭で配りたい気持ちがあるし、なんなら学校で毎年上演して欲しい。そのレベルで「良かった」し「知って欲しい」って思う作品だった。
きっとこれは夢なのに、寝ても覚めても現実みたいで…外側から見てるはずの自分も、主人公・青木と一緒に何が待ってるか考えて考えて街中を走り回ったみたいな、そんな没入感でドキドキして仕方なかった…
もう全部の瞬間が好きだったので全く書ききれないですけど、未来の自分のために今受け取れたものを残せるだけ残しておきます。
あらすじ
あの時の僕は焦っていた。
大学生活も残りあと一年と少しになったというのに、
これから自分がどんな未来を描いていくのか少しも想像がついていなかった。
そんな時、僕は花と出会った。
比喩表現ではなく、そういう名前の女の子だ。
花はとにかく明るくて、それでいてどこか不思議で、
彼女と過ごす時間は心地良くて楽しかった。
いつまでも時間が止まっていればいいと思っていた。
いつか来る終わりを、想像することさえせずに。
ある日、僕は君と出会った。
僕の知らない、夢の中で。
公演詳細
日時
2021年12月28日(火)~30日(木)
12月28日(火)19:00
12月29日(水)14:00/18:00
12月30日(木)12:00/16:00
《キャストについて》
※ここまで大真面目に書いてる風ですけど、終始「かわいい!」ばかり連呼してるので、その内訳が書かれているだけです※
※ネタバレ全開なので、初見の驚きを楽しみたい方は配信やDVDなどを観てから読んでください※
黄原ジュンペイ 役:菅野英樹さん
M’s project「あの日、僕は知らない夢の中で君と」
— M's project (@msproject2021) 2021年12月21日
ビジュアル公開
黄原ジュンペイ役…菅野英樹
青木と同じ大学に通う友人。
とっつきやすい社交的な性格のお調子者で、学内でも人脈が広い。#知ら夢 pic.twitter.com/llaA3xR6RT
超好き!少女漫画の読者なら絶対みんな落ちるキャラクターじゃん!それで何でモテないのかな(合コンばっかしてるからって決めつけない)
そもそもそんなにコメディー要素のある脚本じゃないって後から気がついたんだけど、ジュンペイの出てる場面必ず笑い起きませんでした?隙あらば笑いとってたよね?!みんなでスタバのラテちっくなの飲んでるときに、底に溜まったのが気になるのかしきりに中を覗いたりカップ叩いたりしてるの芸細かくて好きだよ。笑
演劇的にも遊びを入れられるおいしい立ち位置のキャラクターではあったけど、でも実際そう見せられるのって本当にうまく泳げる人じゃないとできないことだと思ってるのでマジですごいと思う。オープニングで、スポット当てられて眩しそうにして、ドヤって、マコにちょっかいかけてからピューって逃げる。その一連の流れ大好き過ぎて、逆にちょっと腹立った(?)。
真面目な話すると、誰かのセリフを聞いてる時の表情の変化が絶妙でとても好き。動作としては片眉上がったり目閉じたり小首を傾げたりするぐらいなんだけど、今なに考えてるか全部わかりましたね。まぶた?眉毛?口元?表情筋?何であんなに豊かなんだ???
「あんま考え過ぎんなよ」
「タクちゃんにはタクちゃんのペースがあるから」
普段の軽薄さが嘘みたいに落ち着いててやさしいトーンの声にはっとさせられた。
あと、花がいなくなった!って青木が走り出した場面のこのセリフの言い方が大好き。
「誰かに追いかけてもらうのを羨ましいって思うのも、誰かを追いかけたいって思うのも、別にどっちも悪いことじゃねぇだろ」
浅ましいとまでは言わないけど、「羨ましい」なんて素直に言ったら恥ずかしくてすぐ「馬鹿みたいだよね」って誤魔化しちゃうマコちゃんの感情を、客観的に肯定してあげるジュンペイ🤦♀️
「ま、俺は走っても走らなくてもどっちでもいいと思うけどね〜」って、この「どうでもいい感」が嬉しいんですよね。すぐに難しく考えちゃうマコちゃんの肩の力を抜いてあげるような軽い物言い(でも絶対に大事な部分をバカにはしない)と、最終的に決めるのは自分(この場合はマコちゃん)だから、ってわかってるからこその言葉選びが本当に男前なんだよな…
マコちゃんが「私の方が先に青木くんのこと好きだったもん」って泣きそうな場面も、何にも言わずにただ近くで待っててくれる時の表情もマジで…ねぇ、改めて言うんだけど…めちゃくちゃいい男やん?!?!何故モテないのかなジュンペイ?!(勝手に決めつけないで)
浮谷さんが演出をつけてる菅野さんを拝見するのは今回で2度目なんですけど、いまだに役者としての二人の共演を見れてなくてとても歯痒いので早く!
赤崎マコ 役:優里菜ちゃん
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赤崎マコ役…優里菜
青木と同じ大学に通う友人。
真面目で思ったことをズバッと言う、良く言えば竹を割ったような性格。青木のことをひそかに想っている。#知ら夢 pic.twitter.com/VNsCOC8ktw
マコちゃんみたいな女の子だーいすき!絶対ね、あだ名でお母さんって呼ばれちゃうタイプなんですよね、わかります。
密かに青木のことが好き、と紹介文には載ってたけど、全然密かではなかったぜ!バレバレ!かわいい!ど変態すぎて怒られそうなんだけど、今傷ついた、と明確にわかる反応しちゃうの、めちゃくちゃ好きでした… ジュンペイから「興味持ったんじゃない?」って言われた時の「まさかあの子に…?」って漏れ出た声とか、花ちゃんに好きなものを問うたら「花はあおきのにおいが好き」って言われてしまった時の表情とか。青木くん、のことになると途端にいつもの勢いにブレーキがかかるみたいに見えて、歯痒くてもどかしく大変良かった。
青木くんが、花のこと警察に知らせる前にもう少し任せてもらえないかな?という場面で
「でも、」 「少しの間だけだからね!」
セリフの前に「…っ!」って入りそうな、『世の常識と心配性な自分 VS 青木くんの意見も尊重したい気持ち(あとジュンペイもうるさいし)』っていう脳内会議ちっくな間があるのとても良かったね。
ジュンペイとのショートコント『レストラン』…じゃなくて笑 あの二人の掛け合いめちゃくちゃ面白かった〜テンポが素晴らしい!彼の前だと本当に肩の力抜けてるというか素のままのマコちゃんで、「はいよ」の返事の仕方とかいつも通り〜で可愛かったね。ジュンペイには感情直結で喋れるのに。ボケの収拾つかないと2秒で拳でるのも男前で好きだったw
「順番なんてないのわかってるけど、私の方が先に青木くんのこと好きだったもん」
「いいなぁ、走って探してくれる人がいるのって」
本人は気づいてないし、それがどうして?って言うと思うんだけど、欲しいものを欲しいって言葉にできるのも、それを誰かに言えるのも実はすごいことなんだけどね。「いいなぁ」の言い方、まじでかわいいしな。
えーっと、もしかしたらすごーく無粋なことを言うのですが一個人の意見なので関係者お客さんマコちゃん各位怒らないで欲しいんですけど(ジュンペイは?)、なんだかんだ喧嘩したり漫才したり紆余曲折ありながらも、マコちゃんとジュンペイはドキンちゃんとばいきんまんみたいな関係でい続けると思うし、あわよくば結婚して欲しいので、あーんもう早く付き合っちゃえよー!!!
優里菜ちゃん、お声が澄んでて綺麗な軌道でぽーんと飛んでくるようなお声だったので、はっきり物言ってくれるのとてもハマっててまじで良かった。オープニングで顎をくっとあげるみたいな仕草も好き〜!
杜川シンイチロウ 役: 大野宏さん
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杜川シンイチロウ役…小野宏
保護犬活動をしている。
動物への愛情が深く、一匹でも多くの犬が救われてほしいと願いながらも、沢山の命が失われていく現実と闘っている。#知ら夢 pic.twitter.com/55W7CXROor
杜川さん、とても魅力的だった…何だろう、喋り方の感じなのか佇まいなのか、親しみやすさと大人としての貫禄が同居しててめちゃくちゃよかった。青木くんたちは、大学生っていう20歳は超えてるけどまだ子供というか、そういうふわふわとしたところにいると思うんだけど、そんな登場人物の中で唯一、明確な『大人』という存在が示される立ち位置だし、概念的なセリフも多いから一番難しかったのでは?!そこでただの人じゃなく、杜川さんっていうしっかりした人物像が見えたのもさすがだった。。
「柄じゃないからお断りしようと思って来たんだけど…」って、とほほ…って表現が似合いそうなあの感じから、「青木くん、進路まだきまっていないのかい?」で空気が引き締まったのもおお…ってなったし。あれアニメだったら絶対メガネ光るところだよね(何の話?)。
「君にとって何かのきっかけになったらいいと思ったんだ。この道じゃなくても、他のことでもいい」
「君の前にはいろんな可能性があるってことを伝えたかったんだ」
まず言わせて、このセリフがとても好きです。
主人公それから全ての「自分のやりたいことってなんだろう」を抱く人に対する一つのアンサー。それから、これをスマートに言えるのはとてもすごいと思います。なんせ少々うるさい、もといお節介だもん。みんなわかってんだよね、きっかけを探してないくせに待ってるから。
あの場面の杜川さん。押しつけがましいところが一切なく、青木くんのためにというよりは「自分がそうしたかったから」という気持ちのいいエゴがちゃんと見える言い方でこれを真っ向から伝えてくれるのめちゃくちゃ良かった! かつて自分もそんなふうに「靴紐を結ぼうと立ち止まっただけ」のきっかけで今に至ってる、だから青木くんを見ながら懐かしいな〜みたいな眩しそうな顔して微笑むのも好きでした…
BB 役大成翔輝さん
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BB役…大成翔輝
犬たちのリーダー。以前は飼い犬であったが、飼い主の引っ越しと共に捨てられ人間不信になっている。#知ら夢 pic.twitter.com/sXMYbNlH0D
BB先輩が一番好きって言うと「だと思った」って笑われそう。いやでも絶対みんな好きだと思う。だって登場が暗闇からぬっ…て現れて「よぉ坊主、大丈夫かぁ?」だよ。カイジとかでこういう場面あった気がする(?)。でも牢獄によくいる先輩囚人と違うのは、直後に、ケガしてるナナシ(子犬)を見て血相変えて「おい血が出てんじゃねぇか?!立てるか…?」的な介抱をしてくれるところです。
お声がとてもいいんだよな。どーんと豪快で、荒っぽい口調と合ってて、思わず頼りたくなるような兄貴っぽい強さがあってとてもよかった〜!
「俺はそうだなぁーー肉。肉が食いてェ!こんなでっかい、そのままかぶりつけるような笑っちまうぐらいのさ!」
外に出られたら何がしたい?という問いに対してのこの反応、マジでよかったなぁ…!肉、って言い出すまでの間といい仕草といいたまんないし、「笑っちまうぐらいの!」って手で大きさ表しながら足ばたばたさせてマジで最高の笑顔だったの。単純に最高。思わずこちらもでっかくて美味しそうなステーキとか想像してうずうずしちゃったよ🤤本当に可愛かった!
「ーーうん、やっぱり俺たちはここを出よう!理由がなくても、生きる権利が俺たちにはあるはずだ!」
イメージの話ですけど、檻の中で花がリーダー(ジャンヌ・ダルクっぽいよね)だとしたら、BBは船長なんですよね。よーしお前ら俺についてこい!ってどんな時でもでっかい声で笑っててくれる、ガキ大将タイプともいうかな。物事を「楽しいかどうか」で判断してる感じがした。それは空気を明るくするための楽観性じゃなくて、本質的な、人間や動物の欲求(原動力に近いかも)として本来あるべき姿なのかもって思って、彼が未来を見せてくれるような発言をするたびに、ああいいなぁってわくわくしました。
「生きてくために、食うしかなかったんだ!!!」
「犬に生まれた自分を呪うんだな」
家族に捨てられて、生きるために地獄を見たことのある彼だから、一個の存在として認められること、お腹や心が満たされること、ただ息をしてるだけじゃなくて”生きてる”って感じられること。そういう目指すべき(戻りたい)理想をちゃんともってる。悔しい、憎い、許さない、何で俺だけ、取り戻したい…過去を語るときの声や目はぎらついて、その気迫に鳥肌が立つほど。
彼の頭がとても良かっただけに、希望がちらとでも見えてしまったが故に、いっそうラストシーンがきつすぎた。
あと、裏役でマコちゃんの働くレストランの店長(?)やってたときの落差が酷くてめちゃ笑いました。バリエーション多分いっぱいあったんだろうな見たかった😂レストランなのに中華料理屋みたいな喋り方だった回が好きです
ナナシ 役:大崎聖奈さん
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ナナシ役…大崎聖奈
多頭飼いしている人間の家で産まれた犬。同時に産まれた兄弟たちと違い、身体の色が地味なためすぐに捨てられた。#知ら夢 pic.twitter.com/futEEFyedu
子犬!可愛かった!まじで子犬だった!
片手で持ち上げられるぐらい小さくてころころ丸くて、毛並みやしっぽまで想像できそうな子犬がそこにいた。ぽてぽて音がしそうな歩き方や仕草も超〜可愛かった!少年みたいな高くて澄んだお声がとっても印象的だったので「だれか助けてよ!」 って叫ぶシーンは見ててつらかったな…
檻の出口探索してる時に、ずーっとBBの真似っこしてたのよかったね。登場シーンじゃ怖がってたのに、すっかり仲良しになってたし!BBの様子をチラチラ見ながら肩まわしてみたり鉄格子を殴りつけてみたり、結局二人揃って痛がってたりしてて笑っちゃった。何かの場面でみんなが話してる途中だったのに、飽きたのかふらっと輪から離れて一人あそび始めてみたりしててその子供ムーブにも萌えたな…
「みんなで食べに行こうね、にく!」
外に出たら何がしたい?の場面。肉が何だかもわかってないけど、BBたちがこんなにうれしそうならきっとおいしいんだ😆!!!まだ見ぬ外の世界に期待で胸いっぱいにして、きらっきらした目で。結末を知ってしまってる今、この時点で号泣ものなんですけど。初めて聞いた時は体がぽかぽかするようなあったかい気持ちで満たされました。
「ねぇカーラ」
「しばふって何?」「くさって何?」
「そんなところがあるんだぁ、ぼくもいつか走ってみたいなぁ」
みんなが寝てる中、カーラとしてたこの会話がマジで好き。内緒話をする時のワクワクっとした高揚感みたいな。声の大きさこそ控えめなんだけど、気持ちはすっごく膨れてて落ち着かない感じの、そういうのがちゃんと伝わってきた。何度も言ってごめん、可愛かった。自分も頭くしゃくしゃーって撫でたかった〜!
終始あざとく見えなくて、本当に純粋な小さいものに抱く「かわいい」があった。失礼を承知で言うんだけど、成人男性とか本気で言ってる…?
カーラ 役:白崎希咲さん
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カーラ役…白崎希咲
悪質なブリーダーの元で仔犬を産むためだけに飼われていた。
一見してドライな性格である。#知ら夢 pic.twitter.com/aVUFvw2Y3t
もう姉さんと呼ばせて欲しい。かっこよかった。“優しくない“は本当の意味では“一番優しい“んだって思ってるんだけど、まさにそれを体現してた。哲学…というより大事なこと、知ってなくちゃいけないことを、包み隠さずちゃんと教えてくれる子で、とっても好きだった。照れ臭い時に「フン…」って顔背けるやつ、あんなに自然にかっこよくやれて、しかも可愛くて見えるの素晴らし過ぎます。
『泣くな、はらちゃん』の奥貫薫が大好きなんですけど、それ以来の胸キュンがありました。
「子供だろうが何だろうがみんな一緒さ、ここにいるやつはみんな。このままここで死んでいくんだ」
「何がいけないんだい?ここでも外でも一緒だろ、自分で生きる力のないやつは!」
もう自分が傷つきたくないからぶっきらぼうな口調で尖って、心を波立たせないようにしてるだけで、でも完全に耳を塞いでしまうことはしないのがカーラだよな。たとえ喧嘩になってでも、外で無闇に傷つかなくていいように現実を教えてあげる優しさがあって。とても感受性が豊かな子なんだよね、何度ひどい裏切られ方をしたって諦めたフリしながらも結局しっかりダメージ食らってしまうタイプだもん。
「そもそも、生きる理由なんて必要ないだろう。理由がなくちゃ生きてちゃいけないのかい」
これだよこれ!!!道に迷った時に思い出したいセリフNo. 1。ピシャッと力強く言い切ってくれて清々しかったね〜!
声もひく〜くして、あえてこわ〜い顔して脅すようなことばっかり言って、誰も寄せ付けない風でいたのに
「芝生の上を走るのが好きだった」
「あったかくて柔らかくて、それがいっぱい生えてるところが芝生さ」
無邪気なナナシにカーラの好きなものは何?しばふって何?って聞かれるたびに少しずつほどけてくような雰囲気がたまらなかった。
「確かにあたしの産んだ子じゃないよ、色だって背格好だって全然違う!でも、そんな子を見て、自分の子を思い出しちゃいけないのかい」
最初は突き放していたナナシを庇う場面の彼女の言葉は重たくて苦しくて泣いてしまった。もらい泣き、感情移入という感覚とは違うんだよな、衝動…激情… 何だろう、共鳴とか影響に近いかも。期待して裏切られてそのたびに心を削られて、というのを何度も経験してきた彼女の悲しみが叫びが嘆きが、声やわなわなと震える体に出てて、うち震えるような感覚があった。すごかったなぁ…
配信がかなり好きだったので全編けっこうリピートしてたんですが、このあたりの場面は何度もは見られなかった。
青木タクヤ 役:乙木勇人さん
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青木タクヤ役…乙木勇人
大学三年生。将来やりたいことや目指したい職業は特になく、毎日を無為に過ごしている。#知ら夢 pic.twitter.com/oEwUUQZyme
ザ・主人公。めちゃくちゃよかった!!!
全編通して「え、」の言い方がどれもこれもめちゃくちゃ好きだった〜!(そこ?)
今まさに突きつけられた事実や違和感に対してのリアルなリアクションが「え」って一音に込められてて、毎回なになに…?今度は何に気づいたの…?!ってぐっと引き付けられた。
表情や反応の、仕方というか…濃度に近いかも、それが演劇にしては少々薄めなんだけど、だからより「現実的」で「普通」に見えた(舞台の上で普通を表現できるってマジですげーよ)。いつもの表情にじわりと喜びや焦り、もどかしさが滲むように表れるのがとても良かったな。あと眠たさとかも!講義中に居眠りしちゃってはたと覚醒した時の誤魔化し方も上手かったね笑
花と二人で買い物に行くシーン大好き〜〜〜!
すぐにどっか行っちゃう「花さん」にもう〜ってなりながらも、花につられて自然と笑顔になってくところとか見てて本当に微笑ましかったな…クレープ屋にきた時の「そんなにがっついたらクリームがぁ!」の言い方もすごい好き笑
モノローグってクサくなりがちというか、突然主人公が自分の気持ち語り出すとどうしても醒めちゃう時があるんだけど、でもダンスしてる花を見てる時の彼のそれは、口から出てきた言葉と抱いた気持ちが寸分違わず同じ形をしてるように見えてすうっと馴染んでたのが良かった。
低めのお声がとても素敵だったね。登場からずっとローテンション気味な、いつもちょっと元気ないみたいな話し方してたから、それが花と一緒にいる時は違って、感情の波の起伏が大きくなってる感じがしたんだよね。花があまりにも元気いっぱい!好奇心!楽しい!!!って感じでメーター振り切ってるから、仕方ないのかもね笑 最初こそ「心配」が勝ってたけど、徐々に彼自身からも「楽しい」が溢れてきてて…
だから最後の場面、耐え切れるわけなかった。いなくなった花を探して走ってるところも、夢の中で見た檻を見つけた時も、あの青木くんがあんなに泣くなんてさ。初主演、お疲れ様でした。
(初日のカーテンコールで、タイトル全然言えてなくて笑っちゃったけどw
あと、オープニングのプロジェクションマッピングを作ったのが彼であると聞いて!それもばちばちに良かったです!)
花 役:松本稽古さん
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花役…松本稽古
青木が街で出会う不思議な女性。天真爛漫で誰からも好かれる可愛さを持っている。記憶喪失の疑いがある。#知ら夢 pic.twitter.com/NEnRq5Ap5c
大好き!!!!!
2021年ベストオブヒロイン賞を贈りたい。可愛くって可愛くって、見てると胸のあたりがくすぐったいような、切なくてため息が出ちゃうような、不思議な気持ちになりました。人がまばたきしてる様を見て、こんなにも胸がときめくことがあるなんて今まで知らなかったよ…きっとこれは恋だね、間違いないわ。
「花さんじゃなくて!花!」
「2さい!」
実は登場キャラの紹介ツイートを見た時から何となく予想はしてて、登場シーンで気がついてしまったんですけど、彼女は本当は犬だって。でも分かっていても突飛な行動には驚いたし、言動は多少あざとくたって最上級に可愛かったし!最終的には予想を裏切られもしたし。冒頭はある意味こうアンジャッシュ的な?ズレを楽しむという意味合いでも青木と花の会話は楽しかったね。
「今日のことはきっと忘れないよ。たのしくって、きれいで、おいしくって!」
ね〜お買い物のシーン、可愛かったね〜;;; いや、まぁ、うん、必ずこういう時に出てくるよねクレープ。急にかくれんぼとかしたがるよね。でも、なんかこう、どこでも見かける定番スポットなんだけど、だからこそ彼女のはしゃぎっぷりが、こんなことでそんなに喜ぶの?っていう青木の驚きが、より鮮やかに見える。
「夢みたい…!」
イルミネーション眺める場面、そのまま写真に収めて飾りたいぐらい良い画だった。頭上に電飾あるのまじでずるいと思った。二人の目線がすーっと遠くまで伸びるから、広い公園と、そこに吹く夜風さえ感じられるような気がしてとっても素敵だった。道路に飛び出しそうになった花を青木が引き止めるモーション、オープニングでも同じ振付があって、あーこれこれ☺️進研ゼミでやったところだ・・・!になりました。
“わんこムーブ“としてとても萌えた箇所
①パーソナルスペースの狭さ
座り込んでる青木の体にもたれるみたいに寄り添って、青木の顔を斜め下から覗き込むようにして様子を伺うのがいじらしくてね。はじめましての時もそうだけど、隙あらば隣にいてさ。首の傾げ方とか、見つめるおめめのキラキラ度もいい。最初こそ青木もびっくりしてたけど、早い段階でそれが日常みたくなってて微笑ましかった。
②落ち着きのなさ
初めて青木と会った時も、マコたちと真面目な話をしてる時も。足癖悪いというか、すぐじゃれついてたよね。サンダル蹴り飛ばしてみたり座ってても足プラプラしてたり、結局ひと所でじっとしてられずに走り出しちゃうのとか、自由気まま!見て見てあれは何?!な好奇心の塊で。そりゃあ目が離せないわけですわ。
「花」って呼び捨てにされたい、ってのは前の家族がそう呼んでたからなんだろうなぁ
「花ちゃん」「花さん」って呼称にいちいち反応してはムッとしたりハッとしたり。「はーな!」って突っかかってくるあの顔や振る舞いがとにかく可愛くってさ〜🤦♀️💕ジュンペイとマコから名前を教えてもらった時の、ぱあっと咲いた表情も良かった…「マコ!」の呼び方が完全に遠くにいる犬をおいでってする時のトーンだったし(ジュンペイの扱いの雑さがツボだよ〜)。
そうだ、あまりに何度も「花さん」って青木が呼ぶから「はーな!」って青木の鼻をえいって突っついて、「これは鼻!」って会話してけたけた笑ってたのもまじで好きだったよーーーーーー(大の字)。
「アオキ、だいじょうぶ?」
「こわい夢を見たんだね、だいじょうぶ、花がいるよ」
もしも自分が犬と暮らしてたら、こんなふうに心配してくれたり慰めてくれたりすることもあるのかな、なんて考えちゃうぐらい。安心できてやわらかくてあったかい声でした。
単語だけって訳じゃないけど、シンプルで短い文節だったり、遠くに呼びかけるような言い回しが多くて、例えばセリフを犬の鳴き声に変換しても伝えられる言葉なのかもな〜なんて考えたりしました。特に「ハナ!」って自分のこと呼んで欲しい時とか吠えたみたいにも聞こえるもんね。
檻(夢)の中にいる時の、流暢で理知的で活気ある物言いとのギャップも良かったな。精神年齢プラス20歳ぐらいかな。勇敢なジャンヌ・ダルクはマルチーズだったのね。
「夢みたい…!」
終盤の方だと思う、青木くんの頭の中のイメージのようなシーンで、いろんな人から言われた言葉がフラッシュバックしていくけど、その時の花の「夢みたい」ってセリフが、イルミネーションを一緒に眺めた時のそれと全く一緒の音だったから鳥肌たったな。彼の走馬灯がちゃんと絵になって自分の頭の中で再生された。
注目のソロダンスは、楽しいとか嬉しいとか…そういう気持ちが溢れて止まらないっ!て感じでうっとりするほど綺麗だった…どこか儚さや切なさも感じたのは青木のモノローグや夕暮れってだけじゃなくて、イメージはそれこそ足を得た人魚姫かな。跳ねるような振りだけじゃなく、地面をそっと撫でたり自分の体を抱きしめたりする所作に、人間の手足で触れた感触、芝生を踏みしめた感覚を確かめてるような、夢みたいな時間を忘れないでいたいなって気持ちが感じられるからだと思う。
松本稽古さん、「サンサーラ式葬送入門」以来か…?その時が祈祷師みたいな役だったので役の振り幅の広さに打ちのめされた…スゴすぎ…!8月には『12人の私と路地裏のセナ』でもまた拝見できそうなのでとっても楽しみです〜〜〜❤️
《物語について》
話の展開のしかたがマジで良かった。主人公の気づきと共に、今まで置かれてた点が全部繋がってくる感覚は爽快ささえあった。
それと同時に、結末の予測をある程度してただけに、プロセスの部分を半分以上裏切られたとわかった時の衝撃も、じゃあ一体どこからどこまでが…と主人公と一緒に追体験したくなるような手法も…本当に”よくできてるな”という気持ち。完敗だよ。絶対みんな一度は「え、そういうことだったの…?!」って驚くよ。俺は血の気が引いたね。
浮谷泰史さんの脚本作品を観るのは『Wells 魔女と夜明けの星』以来だから2年ぶりか。
知ら夢、ファンタジーをぐっと現実に引き寄せたような、ふとした日常の中に”彼女たち“を見つけられるような、そんなお話でとても好きです。
《演出について》
開幕前から演者もしきりに見どころ!と挙げていた場面転換は納得。アトリエファンファーレ高円寺って舞台面そんなに広くない。むしろ狭いよね?リビングの一室、とかワンシチュエーションをやるにはぴったりな印象だけどさ、箱とパーテーションだけでよくここまでいろんな場所に連れてってくれたなぁ、と感心しきり。
時計台のある駅前の広場、大学の講義室、廊下、カフェテラス、マコの働くレストラン、青木くんの部屋、檻の中、、、ぱっきりとその場所です!って見せるために物語が分断されることは決してなく、もやもやとした心情描写としても見せながら、徐々に現実(?)と夢(?)の境界が曖昧になってく感じもあって。
『舞台セットで100%今が何かわかるからこそ、よくわからなくなってくる』
っていう錯覚みたいな現象起きててマジでやべーのよ。映像じゃこうはできないよな〜!!!マーブルな混ざり具合が想像力をゴリゴリ刺激してきて最高だった。それから、お得意の影の演出!驚いてヒュッて息飲んだよね。
ねえこれ文字で伝わる?無理だよね、みんな配信観な!アーカイブあと一日だけど(現在1/12 21:54)。
演出家としての浮谷さんはもうチョコレイト旅団からずっと信頼してるので改めて言うほどでもないかもですけどね!素晴らしかったですよ!!!
ラストシーンは……想像にお任せされました、とだけ言っておきます。
《配信について》
率直に買って良かったです!!!
舞台は生で観るのが至上、って気持ちは揺らがないけど、でもあんなに画質よくてクオリティが高いなら配信も侮れないわ…と唸りました。
特に良かったのがカメラアングル。スイッチングにより3台のカメラで視点が切り替わったけど、そのうちの一つが上手側の足元にあって最高だった!遠くまでイルミネーションを見渡してる2人や、檻の中で奴らの足音に耳を澄ませているBBたちの様子を、そっと覗き見できるような視点になってて、生観劇じゃあ絶対に体験できない配信ならではの感覚に「スッゲー!いい仕事するじゃん!」ってでかい声出しちゃった。声上げて笑ってもティッシュ抱えて大泣きして鼻かんでも誰からも怒られないってのも配信のいいところだよね👍笑
《題材について》
物語の主軸ともいうべき部分が、「保護犬」っていう抜本的な解決の難しい社会問題だから、本当はかわいい〜!なんて笑ってられないのかも。花やBBたちのことだけ見て、間に合わなかった悲しいって泣くのは違うかも。そういうピリッとした気持ちを一瞬だけど抱いたのも事実。で、そこにすかさず飛んでくる問いが一つ。「じゃあ、自分に何ができるの?」なんて。答えるどころか、考えるだけおこがましい、とかもそう。
勝手に主語大きくしちゃうけど、自分の手に負えない、興味のない問題について、触れるのも考えるのもきっとみんな嫌じゃない?でもさ、それはそれで仕方ないよね、というか別にいいと思う。カーラ的に言えば「誰があんたに何かしてくれって頼んだんだい?」って感じ?
だから、まずは「知る」こと。
それから、難しい問題だからって眉間にしわ寄せなくていいよってこと。
興味のあるなしもできるできないも置いといて、こんなことが今起きててさ、って事実を知ってるだけでかなり違うなって思うこと、たくさんある。
自分もさ、高校生ぐらいのときかな、好きな俳優さんが「この子はもともと保護猫で…」ってツイートしてるの見て、かわいい猫ちゃんだ〜!ペットショップじゃなくてそういうのあるんだ〜?!って思った記憶あるし。………何の話してんのかな?
とにかく、冒頭で「絵本にして街頭で配りたい」「学校で毎年上演して欲しい」って言ったのはこういうことです。
全ての第一歩たる「知る」のきっかけが、こんんんなに楽しいものなら、それはきっと大正解じゃない?
あと一日だけど、配信まだ見られるので見て欲しい。
舞台『あの日、僕は知らない夢の中で君と』
— 乙木勇人(おとぎはやと) (@otogi_hayato) 2022年1月11日
の配信が終わってしまいます。
主演がOP映像を作りヒロインが振り付けをしているオープニングがYouTubeに上がっておりますのでお時間があれば是非ご覧ください→https://t.co/Czs0lgkUbM
配信チケット→https://t.co/FaAi2QxVBB#知ら夢 pic.twitter.com/3jn8C9dFQj
『あの日、僕は知らない夢の中で君と』
タイトルが秀逸でした。
ど年末に公演決まった時はスケジュール調整で泡食ったけど、一回でも生で見れて本っ当に良かったです。
規制退場などスタッフさんのご案内もスムーズで、快適かつ上質な観劇時間を過ごせたことを心より感謝申し上げます!
ようやく2021年、締め括れました笑
ありがとうございました🐶❤️
自堕落