自堕落なるままに日暮らし

全ての感想は備忘録

Seiren Musical Project『URINE TOWN』感想 ::: 今日幸せでも明日はどう生きる

🚹第54弾公演『URINE TOWN』🚺

「最高」って言いながら👎ってしたくなる、悪口すらも大賛辞になりそうなブラックでシニカルでシュールでポップなミュージカル。本当は1曲ごとにわって立ち上がって拍手したかった…!

版権的に絶対にDVD作れない団体なんですが、珍しくゲネ映像を上げて下さってるので見れるうちに見てください。


それにしても
“ 知らなかっただけでめちゃくちゃ面白い作品 “ × “ 高い歌唱力とみずみずしい芝居で魅了しながら毎日成長していくキャストたち “ × “ 絶大な信頼のある演出家 “…………って、いやどんだけ贅沢空間?!そりゃ最高の観劇体験できるに決まってる!期待の天井を余裕で超えられてしまった。

公演詳細

公演日程

2022年12月21日(水)~26日(月)

劇場

上野ストアハウス

あらすじ/キャスト・スタッフ


こちらのポスター画像は公式Twitterからお借りしました。キャストインタビューなども載っている公式サイトはこちら




初日の印象はマジで「コメディとホラーとの間をジョークが反復横跳びしてる🙄」だったし、あえて例えればアレはもう “ディズニーが送るイソップ童話カイジ』” だったな…って思ってます笑

 さて、我ながらアホなことしていますが、好きな場面を好きなだけ書こう!と思った時に一番書きやすかったので結局サウンドトラック順になりました(18曲+α)。

※めちゃくちゃ長い上に感覚で書いてるから読める文章じゃないのは最初に断っておきます。
※感想というよりもはや観劇レポートかも…

一幕

1、Overture

  ようこそ、ユーリンタウンへ

いきなり心がざわざわする導入曲。
一概に陽とは言い切れないテイストが好み!
このあと何度も思うんだけど、どこにオーケストラ隠してるの?ってぐらい音が生きてるしとても楽しい。

2、Too much Exposion (説明台詞ばっかりだとお客さん飽きちゃうもんね)

 ロックストック警部によるこの街、そしてこのミュージカルの説明から

サリーちゃんとのおしゃべりはメタ発言だらけ!

《ロックストック警部》須田遼太郎さん

 この街の警察官。世界の外側からナレーションもするので、客席から出てきた。
とにかくあの表情から目が離せない!こう、⦿⦿ みたいな目とか、半分だけ大きく口角の上がった笑みなど、説明しづらいんだけどいやそんな顔アニメでしか見たことねぇーよ?!って驚き!!!一緒に観に行ったフォロワーさんの表現が的確だったのでお借りすると「カートゥーンみたいな表情するよね」と言ってて膝を打ちました。

「銭はあるか?」とセリフ混じりにもう歌に入ってくのでミュージカルのはじまりにハッとしたし、「出られない」の低ーい声に怖いムードが漂って、お化け屋敷に入る前のような高揚感がありました。どこかスモーキーなボイスは抑揚の波が大きくてとっても聞きやすい!





3 URINE TOWN(おしっこの街)

  始めよう

「ようこそ!ユーリンタウン・ザ・ミュージカルへ!!!」
メインテーマ。全員歌唱の迫力!!!これ絶対面白いやつじゃんって確信!登場人物の関係図が端的に示されてる構成なのもすごく好き。

4 It’s A Privilege To Pee(おしっこの権利)

 公共トイレの前には今朝も長蛇の列ができている

《ペニーワイズさん》岡本美結さん/鏑木詩央さん

 みんなのトイレ第9番の管理人をしている女性。
歌がばりうま!!!!!!!!!!!
歌い出した途端に圧倒されてのけぞった。技術だけじゃなく放つエネルギーがすごい。あの他の追随を許さないパワフルな歌で「ここらでトイレ営むのはあたしだけよ」にめちゃくちゃ説得力が出てた。

Pee班:岡本美結さんの歌声はなんて表現したらいいんですかね、怒鳴った延長で歌が歌えるタイプ(?)。椎名林檎やAdoの曲を歌わせたい。ゴスペル歌手も驚きのハイトーン。
「昔とは違うの!料金払う おしっこのために 20年間も」とフレーズごとにピシャっピシャっと言い放つのが鞭で引っ叩いて追い立ててくるような圧を感じて焦るし恐い。

「あたしにも税金とかいろんな支払いがあるって分からない?!」って怒る時、十分イライラしてんだけどきっと毎日のことだから慣れてもいて、多少の呆れも見えるのがいい。このセリフで、彼女もおんなじ人間で、立場としてはむしろ弱い側にいるんだよな…ってわかって切ない。

Poo班:鏑木詩央さんの歌はたっぷりと響かせる低音がものす〜っごい。ペニーワイズさん若い頃はシャンソン歌手でしたって言われても信じるし、山口百恵とか歌われたら惚れちゃうな。
「吸収したものは出す定めさ、そうあなたも、あたしも」のメロディーと彼女の歌声が最高に合ってて、底なし沼からにゅーって伸びてきた手で喉元撫でられてるみたいな冷たさを感じてゾクゾクしちゃった。

「でもは無しと言ったはずよボビー・ストロング」と口答えするボビーの顎を掴んだ回があったと思うんだけど、マジで女王様感出てて好き。ボビーのことは可愛いからそばに置いてやってる、っての解釈ピッタリです🙏


4.5 Remember (忘れるなかれ)

  ストロング爺さんがユーリンタウンへ連行される

法に反いたものがどうなるのかを突きつけるロックストック警部のソロ。
4フレーズぐらいの短い一曲のうちに表情がみるみる変わるからすんごい見ちゃった!
「あのアホ面、馬鹿なやつだ」のとこの”今の見たか?ププ”って顔が特に本性出てて好きw

《ストロング爺さん》長妻曉さん/毛利大翔さん

 ボビーのお父さん。髭もじゃ。今朝はお足が足りなくて大ピンチ。
彼が「ペニー、なあ頼むよ、今回だけ」とせがむ時の、今の今言い訳を考えながら喋ってる切羽詰まった感じがすごくよかった…人っておしっこ行きたい時ってそれしか考えられなくなるもんね…逆班のボビーが爺さんやってるって気がついたのは公演も折り返してからでした。クロスキャストて!すご!

ボビーに向かって「俺を忘れるなよ!」と必死に叫ぶ場面、本来なら引き裂かれる家族の描写に胸を痛めたりしたいところ…なんだけど、
「ボビー、頼む、母さんに、母さんに伝えてくれ!」「わたし?!」「そこにいるよ?!」
「愛していると!母さんに!」「あなた!私ここにいるわ!」「父さん!母さんそこに!」
笑っちゃいけないんだろうけど、どうしてもその、全員必死であるから余計、すれ違い加減にふふっ、、、と吹き出してしまう。いっぺんに叫んでる感じが海外っぽい。ホラーやシリアスに寄りすぎない、絶妙な空気感。

このあと、ことあるごとに、いや”忘れた頃に”ストロング爺さんの声がリフレインするんですけど、必ずと言っていいほどトムと一緒に出てきて、二人ですっとぼけた顔してはけてくのがツボです。w


5 Mr.Cladwell (ミスター・クラッドウェル)

  UGCのオフィスにはどうやら可愛らしい新入社員が来たようだ

 悪臭時代を終わらせた功労者、そしてこの街の絶対的な権力者である社長を讃える一曲。
社員が全員でただただ社長を褒めるだけでなく、ホープが「パパ〜!わたしの〜!」ってパパパパ連呼するコーラスもあって、あまりの持て囃されぶりに思わず笑っちゃう。演出も負けじと(?)豪華。

フィップは紫、クラッドウェルさんは赤、マックイーンをはじめ本社スタッフは青、とUGC側の人たちはみんなバッチリなアイメイクで合わせてきてたのいいよね。

《フィップ》柴田凌雅さん

 クラッドウェルから政治資金を受け取っているらしい議員。早くリオに行きたい。
全くブレない。独自の空気感。喋る時のアクセントの強さで神経質そうに見えた。スネ夫ポジション。

「リオへ、すいすいっと遠くへ行ってしまいたい」
ねぇ!このポーズなに!好き!!!モダンアートだけを集めた美術館があったらオブジェで飾ってある絶対!登場してすぐ、オフィスに漂う緊張感を切り裂いて、自分のペースを貫くあの姿勢に自分はもう惚れたね。「外は火薬庫だクラッドウェル!」と怒る時も、声の当て方?尖り方?がいい。

「あぁ、ホープ・クラッドウェル、君はなんて美しいんだ」
高めで硬質な声だからなのか、それとも機嫌が声に乗りやすいのか、歌ってないのにどこか節がついてるような喋り方をするのが大変好みで、フィップにもっと長いセリフをくれ〜!!!と思ってました。*1 いちいちの仕草がパキッと決まっててキザっぽく見える。
娘を口説こうとしたために手にタバコを押し付けられた時の「あっつ!」やハンズアップしての「Oh〜♪」がオーバーで海外ドラマみを感じて好き。
*2


《マックイーン》藤井亮太朗さん

 クラッドウェルの側近らしい人物。一言多い。
冒頭、小銭をねだってきたサリーちゃんの手をわざわざ踏みつけた大人気ない男は彼だった!Pee班では「うまづら!」と悪態つかれてたけど、わざわざ振り返って「…ヒヒン」と鳴いてみせる余裕もあって嫌なやつ〜!
社長には腰低でニコニコご機嫌取りだけど、余計なこと言ってはタバコを押し付けられたりしてて、シャデフロで笑っちゃってごめん。結構なギャグ担当ながら、社長がおふざけから戻ってこない時には「と!に!か!く!」と本筋に戻したりと教頭先生みたいな一面もあっていいよね。これで歌うとバリトンなので唸りました…

《クラッドウェル》橋本千聖さん

 トイレを運営する民間企業ユーリン・グッド・カンパニー(UGC)の社長。この街の最高権力者にしてホープのパパ。
貫禄。存在感。自信。持つ者の余裕。空気の掌握度。自分の魅せ方。間。歌。
え?非の打ち所がない。強い。スマートでスタイリッシュ。どんな褒め言葉でも「そうだろう?」と受け止めてくれそうな寛大さ。クラッドウェルさん大好き。

芝居
・葉巻の吸い方。机に乗せた足。
・立ち上がっただけでその場の緊張感を高めたのが本当にすごくて、鳥肌立ちました。机に残った指がまたいいんだ…
・「パパ!」「ホープ〜〜〜!!!!」 ぎゅっぎゅー💓じゃないのよ!笑 
キリキリと糸が張り詰める音さえ聞こえてきそうな空気にしておいて…からの落差!娘にデレデレなパパの緩み具合。
ホープの挨拶に対して、2日目にしてもう秘書たちから客席に拍手要求があり、長くやってると「シッ!」てされたり千秋楽あたりは「悪くない」と褒められたりして楽しかったな〜。いつの間にかUGC社員になってました。


・「お洒落に早変わり!」「銀行には金が溢れる!」ここのフレーズやべ〜!話してる時も低い声が渋くて素敵…と思ってたけど、歌もうめぇ〜!深くて張りがあって色っぽい。
・「誰だ?」「私だ!」みんなの歌の最中にセリフ挟んでくるこのセリフたち!机の上に寝そべってるの最高。指先まできめにくる。
・いつかの回で、ホープが「パパ〜!」って後ろで歌ってる時に、胸ポケットからそっとサイリウムを取り出して親バカぶりを発揮させてて…小ネタの欲張り度にはお腹痛かった。
・宝塚でよく見る孔雀ちっくなアレ!!!笑
腰高!脚なが!自らのスタイルを強調するように足を揃えて腰に手を当ててポーズしてた回があり、そのすました顔と決まり具合がカッコ良すぎていっそ笑えてしまった。普段から人の容姿だけをとって褒めないように気をつけてるんですけど、それをここまで武器にされたらもう!👏
・最後の「クラッドウェ〜〜〜〜〜ル!」決めてくるのさすがすぎでしょ!!!

 ほとんど彼のソロと言える曲がこの他に2曲あり、全体曲じゃラスボスなのでもちろん歌う。全部への安定感がとてつもないです。
クラッドウェルさん、歌声聞いた時の感動は、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のブギーマン(小林アトムさん)の歌を聞いた時と同じ、良すぎてびっくりして思わず笑いたくなるやつでした。ぜひ布施明を歌わせたい*3




6 Cop Song (なるなよ)

  夜は警察官の”仕事”の時間。

サリーちゃんと警部の掛け合いが楽しいこの場面。
しかし、年端もいかない少女でさえおしっこのためにお金が必要で、お恵みを!と大人に言って回って集めている…という現実が激ヤバ治安を物語るよね。

《サリーちゃん》西部日彩さん/片桐七海さん

 大きな胸ポケットに小銭を貯めている女の子。生意気。ロックストック警部と一緒にナレーションに加わることがある。

Pee班:西部日彩さんのサリーちゃんは、自分が子供であることを最大限に利用してそうな女の子。あっけらかんとしていて、立ち回りがうまい。この街での暮らし方をよく知っていてその上で楽しく暮らしてる。隙間を見つけるやすぐ遊ぶ。笑顔がかわいい。

警部に小銭をねだる時は「かっこよく!」と目を輝かせてリクエストするも、警部は親指に乗せたコインが全く飛ばせなくて「ダサ…」とあからさまに幻滅してたの笑っちゃった。この二人のパワーバランス面白いなぁ、サリーちゃんのが精神的には強そう。
「ゆあつぎじゅつ(油圧技術)?」など滑舌おぼつかない感じ、あざとくて好きだよ。「あと単純に洗濯とかさ」と畳み掛ける時に首がこくこく動くのも、ちっちゃい女の子特有の何でどうして期みたいでいい。
『Cop Song』では警官の制服に身を包んでダンサーに加わるけど「ヤー!ヤー!」っていつまでも残って警棒振り回してるのめちゃ可愛かったし、「あいつは新人だから」的に警部にフォローされてた回もあってウケちゃったな。サリーちゃんには妙に甘い警部。



Poo班、片桐七海さんのサリーちゃんは、この街で育った少女だ…ってわかる暗さが見える。もうとっくにたくさんのもの諦めてそう。大人には最初から期待しないし、大人よりしがらみがない分、本質をいち早く見抜いてる。だから達観した物言い。喋り方かわいい。

警部からコインもらうシーンは、手の中のコインが消えてサリーちゃんの手の中に移動してる…というマジックを披露!
二人ともジェスチャーなんだけど、(ほら、今そこに送ったよ)(え?手の中?ないない)(そう言わずに開いてごらんよ)などと何言ってるか心の中で当てレコしてました。何なんその仕込み。マジックうまいし。千秋楽では開いた手に乗ってたコインが2枚で、サリーちゃんが「増えた…!」って小声で喜んでたのめちゃキャワだった。

「大事でしょ油圧技術の話」と物語の主題?いや脚本へのツッコミを警部に早口で捲し立てる時はテンションが一定で、勢いに口も挟めない警部にずんずん近寄ってくからおもろかった〜!この二人は友達ぐらい対等なイメージ。サリーちゃん人生何周してん?



《バレル》坪井厚樹さん

 巡査。いつもロックストック警部と行動を共にしている。
お掃除終わりでお疲れバレル。一度ツボると長い上、笑い方がドヒャヒャと奇抜で慣れないと怖かったw
千秋楽の日は「ずーーーーー…(この間にドアから奥へ入り)ーーー(しばらくして違う場所から登場)…ーっと叫んでいたよ」と謎の肺活量の強さを見せつけてきて、そのぶっ込み具合&ロックストックが反応に困ってて大爆笑しました。

ホープが歩いてきたのを見つけて3人で雑談してる時に「遅くまでお疲れ様ぁ」って言うんだけど、ここのイントネーションがめちゃ好みだったんですよね…子供の見て見て報告に相槌を打つ大人の余裕というか。去るときに「おやすみ、ボビー?」って笑った語尾の上がり方もそう!


『Cop Song』は警部たちのラップ…わらべうたかな。
所謂、いーけないんだーいけないんだー的な歌。陽気ではあるけど不安を掻き立てられるよね。
滑稽?だけど、この歌を笑えるか笑えないかで見てる人の立場をはかられてるような気持ち悪さがある。

「ここは暗い長い怖い道のり 後戻りはお断り」
と今までユーリンタウンに送ってきた人たちの”馬鹿な真似”を笑いながら散々歌ってたのに

  ザッ…
       と全員が一気に黙るあの瞬間、何度見ても震え上がった。

 この場面は照明もめっちゃ見た!スモークがかった暗闇から、「なるなよ、なるなよ」と名前が遠くからリフレインする時には顔が見えるか見えないかぐらいの紫へ、輪唱になってた歌い出しが「そこで我らの出番!」と全員揃った時の、警棒掲げて行進するあれは後ろで赤と青がギラギラしててもう、いちいちかっこいい〜!!!って大興奮。
「狩りの時間だ」って口角上げてる警部、今すぐ鏡見た方がいいよってぐらい、こわ〜い笑顔でした。

7 Follow Your Heart (ハートが導く)

  二人は出会い、惹かれ合う。

大好き!!!!!
冒頭トイレの前で道を聞かれただけの男の子が、ここでようやく主人公だったのか…!とわかった場面でもありました

「私のハートも全く同じことを言っているわ!」
ディズニー映画で見たことあるわ…と錯覚起こすくらい、ロマンチックな名場面。
そっと絡み合う二人の指も、見つめ合っておやすみを言い合う二人のキスもいい。美しくて光に満ちていて、ため息が出ちゃうぐらい素敵な夜。恋の始まりはこうでなくっちゃね〜〜〜🥰

サビにかけて二人のいる階段のセットがくるくると回されるのが、カメラアングルとしても魅せ方最高なやつでした。

ホープ》土田鶴子さん/竹内琴美さん

クラッドウェルの娘。パパのことが大好き。ファックス・コピーガールとしての初日を終えて帰宅中。

Pee班:土田鶴子さん
 土田さんのホープは、ディズニーで例えるとアナ!勇敢で好奇心旺盛で賢い。物憂げな上目遣いとムッとした時の唇がキュート!
世間知らずっぽく見えるけど、一般常識(建前)の裏に形骸化した現実があるのを知ってそう。見たことはなくても、知識としては。だから自分なりに「人にはハートがあるって思えば(=自分たちと同じ生き物、良心はあるはずだから)怖くないわ」と考えを確立しておくことで対策しているというか。そういう理論的なイメージね。
 でも結局は自分が経験し感覚したものじゃないからボビーのやるせない苦々しい気持ちを聞いてもふわふわ掴めてなさそうな「…信じがたいわ」が出るよね。あと「普通はねぇ」の語尾とか口癖っぽく聞こえる話し方が可愛くて、大人びても見えたな。

 彼女のホープではこの『ハートが導く』の歌が一番好き。「暗闇で迷子の時、」と歌い出した第一声が本当に美しい。一音一音の輪郭がはっきりしていて、大きく広がりのある響きで聞き入った。神田沙也加さんのお声を彷彿とさせました*4 違う世界に連れ出されるような、夢見心地とはああいうのを言うのかしら。
「私のハートの声も聞いて?」とボビーに腕を広げたところなんてもう、どんどんテンション上がってるみたいな高い声になってくから、おんなじ気持ちの人見つけて嬉しいよねぇかわいいねぇ〜🥰ってニコニコしちゃったよ。


Poo班:竹内琴美さん
竹内さん、彼女のホープは白雪姫。朗らかで愛を一身に受けて育ってきたんだなって窺わせる天真爛漫さ。きらっきらって音が聞こえてきそうな瞬きと、手の仕草がチャーミング。純粋無垢で人には悪意があるってことを根本的にはわかってなさそう。良くも悪くもおとぎ話に出てくるお姫様。「人にはハートがあるって思えば怖くないわ!」もどこか精神論に聞こえるんだよね…
 ボビーから「(胸の中が)冷たいんだ。それか空白か」と感覚を伝えられた時に「胸の中に空白が?!信じがたいわ…!」と自分の胸を覗き込んで驚いて二度見したり実際に叩いたりしてたの可愛かったけど、「きっと〜しなさいって合図なのよ」的な思考の変換が得意だから、罪悪感も後悔も彼女の辞書にはないんだろうな。あと、聞き返した時の言い方がマジで「くうはくが…?」ってひらがなに聞こえた。

 ロックストック警部から挨拶で手にキスをされた時には見えない角度でそっと手を服で拭っていたり、ボビーに「美しい…」って見惚れられた時の恥ずかしそうにゴニョゴニョ誤魔化してるのとか…あとハートの声を聞くからと胸に耳を寄せた時、手がボビーのお腹にそえられてたのが何だか面白くて笑っちゃったな。何か言いかけたボビーにシッ🤫てしたお顔は真剣で使命感に満ちてもいて、なんだろうな、とにかく感情と直結してるような素直な反応がとてもかわいいんだ。

 『ハートが導く』の歌では、「ゆけ、遠い空へ」と始まるフレーズで助走もなくいきなりあの高音が飛んできたのでうわって驚いたし、そこでいきなり彼女たちのいる場所が暗い街から綺麗な水でいっぱいの理想郷になったような気がして目を疑った。のびやかでやわらかく、耳に馴染む美しい歌声で聴き惚れたわ。



《ボビー》毛利大翔さん/長妻暁さん

ペニーワイズさんのアシスタントをしている青年。お父さんを助けられなかったことを後悔している。

Pee班:毛利大翔さん
毛利さんのボビーは、純朴で不器用そうな青年。雰囲気からもう優しさが滲み出てる。きっと情に訴えかけたらすぐ流されてくれる。自分が民衆だとしたら間違いなく、頼むよ今回だけ!ってペニーワイズさんの目を盗んで彼の方に言いますね。「雲の上から降りておいで」とペニーワイズさんに言われちゃうのは、ぼんやり地に足ついてないことへの揶揄かな。人の言うことまんま信じちゃうような、善性を信じてつけ込まれちゃう甘さに呆れられてる的なね…
「でも、どうやってハートの声を聞けばいいかわからないんだ」
困った時のお顔がいいよね〜、首の傾げ方とかも自然で。自分の今の気持ちをどうにかホープに伝えようと言葉を選んでるの、いじらしかった。

私にやらせて!と胸に耳を寄せてきたホープに、照れて体が縮み上がってるのが可愛い可愛い!ぞわわわわって体の周りから頭にかけてアニメみたいな効果線が見えたよ。私のも聞いて?と言われた時、一旦周りをうかがって、唾を飲んでからおず…と近寄ってたので、なんて控えめな男の子なんだかわいいー!!ってキャッキャしちゃった。

お声は少々低音でハスキーな感じで、話してる言葉がいつの間にかメロディに乗っているかのように、相手に届けるようにそっと歌い出すのが素敵だな〜って思いました。この歌の最後の方の高音のハモりも綺麗でうっとりしちゃったな…*5



Poo班:長妻暁さん
長妻さんのボビーは、混じり気がなくまっすぐ。あの街であの仕事してるには綺麗すぎるし窮屈そう。今あるルールに正面から反発したいわけじゃないけど、ルールがある意味をちゃんとは理解できてないし、大人のペニーワイズさんみたいに非情になることもできず、どうしてこんなにひどいルールがあるんだろうって思い悩んでそう。例えばお客さんに頼むよって縋られたら、内緒だよって独断で通してくれると思うし、そういう単純で無鉄砲なところをペニーワイズさんから叱られてそう。

 大きめな仕草や高めな話し声だからか、どこかあどけない印象。初めてホープに話しかけられた時の驚き方もモップを落として口を押さえハアッと息を飲んでたり、もう一度ハートの声を聞いてもいい?と聞かれた時にパッと手を広げてみせたり、素直で元気でとっても可愛い。
あと身軽!何本か本国版の映像を観たんですけど*6、途中途中で長妻さんのボビーを思い出して。原作寄り、という言い方が合ってるか分からないけど何だか嬉しかったな。

 スパーンと通るクリアな響きのお声が真ん中突っ切ってくので聞きやすかったし、誰と歌ってもとても相性が良い。長妻さんのボビーではこの『ハートが導く』が一番好き。ホープと二人で見つめ合ってる時の、世界には二人だけ!みたいな夢中度がとてもよかった…


こちら、そんなお二人のシーン





8 Look At The Sky(あの空)

 ボビーの起こした革命

 現状を憂う歌い出しの燻りから、みんなの気持ちが一つになってどんどん盛り上がるボビーの、そして革命軍の結成の歌。

・お母さんが「でもこれしかないのよ」と手をスッと前に出して毅然とした態度でいるところ!サリーちゃんが「足りないの?」と小銭を渡そうとしてきたのを制し、でも全く屈しない眼差しがボビーとそっくりだなーって。
・ペニーワイズさんのムスカ!無駄に迫真の演技なの笑うw
・トムが歌い終えるとすぐハリーが頭わしわしって撫でててほっこりした…お兄ちゃん…

 最後の「あの空」の伸びやかさにブワーって前から風を感じてめっちゃ感動したな… 毛利さんのボビーではこの曲が一番好き。Pee班の方は初日、中日、千秋楽と観れたので余計に、回を追うごとにぐんぐん良くなってくのを如実に感じて、これぞ生ものだわ!!と思いました。。


9 Don’t Be The Bunny(うさちゃんになるなよ)

 暴動の知らせを聞いて親子の意見は真っ二つに

 秘書組総動員で送る《ホープのための社会講座 テーマ:弱肉強食》って感じの、ポップに仕上がってるが故に内容わりとグロテスクじゃね?な曲。

お芝居パート
・「ねぇパパ?愛って信じる?」
自分で話振ったくせにきゃ💕って感じで顔を隠すホープ激カワ!よっ恋する乙女!一人の世界!パパは苦い顔してるよ!ここで警部たちが暴動の報告をしに入ってきてしまい、話の続きを聞いてもらえずぶすくれててるのも可愛いんだよなホープ。細かいお芝居大好きだよホープ!!!
・「お久しぶり、ね」
ペニーワイズさんの登場にビビッドピンクな照明&ムーディなトランペット鳴るのズルいな〜🤣クラッドウェルさんとの再会は、Pee班じゃ二人してセルフでエコーを入れ始めてバカップルの典型みたいなちゅーをしようとするし、Poo班じゃ徐々に距離を詰めながら「Yes? Oh Yes!」と海外の燃え上がる恋人たちみたいになってて笑った。おふざけシーン少ないからってここぞとばかりに遊んでくる。マックイーンが止めに入るのもわかるよw
・面倒ごとに巻き込まれたくないフィップが去ろうとしたのを警部たちに取り押さえられて「ママに言い付けてやる!!!」って叫んだの初日聞いた時目ん玉飛び出るかと思ったわ!警部たちも若干引いてたのワロタ。いやどっからあんな声出してくんねん!



・クラッドウェルさんの美声を浴びる時間、再び。
「負け犬なんて似合わないよホープ」これの「わ(⬆)」が最高で……🤦‍♀️ そこから落ちるメロディの抑揚の付け方が色っぽくてメロメロだった。
エピソードごとに「言いたいことわかるか?」と軍隊じみたセリフがビシッと入るので、秘書組と一緒に「わかりますボス!」と返事したくなった(?)
・ミレニアム夫人が最初の原っぱで草を食べてるうさちゃんをやってる時の、じっ…とこっちを見るあの動物特有の虚無顔がめちゃツボだったw
・ここは演出というかアプローチの違い?対比?にあたるんだろうと思うけど、うさちゃんソングの間Pee班岡本さんはノリノリで悪い顔して踊ってたのに、Poo班鏑木さんは佇んでポケットから出したスプーンを見つめてたのが印象的で…捕食者の立場を保ち続けられるか、被食者に成り下がるか。


10 Act One Finale (一幕フィナーレ)

 今日の幸せを取るか、明日からの水を守るか。

 トイレを占拠した革命軍と、鎮圧にきた社長陣営との主張入り乱れる多重構造ソング。メロディーの違う曲が3曲以上入るし、最終的にはアンサンブル含めキャスト総出演でオペラみたいに全員が喋る(歌う)。まさに暴動。どちらの意見も間違ってはいないからこそ困るよね…

 ここでも階段のセットが生きてる。乗ってる人は本当に階上にいるというより、ごった返す民衆の中でのその会話だけにスポットライトが当てられてるイメージ。この場面でようやく、UGCオフィスの机と公共トイレの受付の机が同じものを裏表で使ってるって気が付きました(遅)

・階下のみんながスローモーションの時、軍の先頭のロックストック警部が警棒を手で軽く叩きながら、対岸にいるだろう市民を煽るような悪い顔してやがって見つけた時ギャッてなりました。
ホープとボビーの口論が重なってく歌、大大大好き。
「ここへハートが導いた」ってボビーが高らかに歌うところ、この作品全体の中でのサビと言っても過言でないよ!!
・ってかホープの「昨日とおんなじ女の子よ」ってセリフとても可愛くない?!言い方にも表情にも毎回きゅんってしてた…
・ボビーが旗を掲げて『今日のこと』と訴えるあの歌、覚悟決めた表情がかっこよくてかっこいいので見てください*7
・クラッドウェルさんのアンサーソング『でも明日は?』は「Mr.Strong」の発音の良さと、こんな時でもちゃんと敬称つけて名前呼ぶんだ…という部分で萌えてしまった。
ホープのことを人質にすると決意した時だったか、ボビーがそっと彼女を抱きしめて…肩に顔を埋めるのが近いかな。”終末”感があっていい。
・「警察官が1、2…2人もいるわ!」 母さーん!!w
・君たちに待ってるのはあらゆる体罰だ!とクラッドウェルに怒鳴られたことを皮切りに、慌てふためき逃げまどう民衆と、パキパキ規則正しい動き方する社長陣営の対比…ここの振付考えた人マジですごいし、集団行動みたいなフォーメーションは圧巻!!
ホープを人質に取られたクラッドウェルさん、目だけは絶対に彼らから離さず、警部たちが危ないからと止めるのも振り切る勢いで、わなわな体に力が入ってるの伝わってきて…全身が怒りに満ちてた…
・一幕の終わり方!ホープに伸びた無数の手がこう、集中線っぽい画になってたおかげで、端っこにTo Be Continued… って文字が見えてきそうだった。


10.5 休憩

「ボビーのおかげでトイレが無料で使えるようになったんだよ!」
休憩時、開演前のアナウンス!これのおかげで劇場全体がもう“あの街”だったよね。
劇場でトイレ待ってる時間って全然好きじゃないんだけどこの時ばかりは楽しかったし、いつかの回でお隣のおばさま方が「トイレ有料じゃなかった!」などと笑い合っててよかった。

二幕

11 What is URINE TOWN (ユーリンタウンとは何だ)

 革命軍は下水道の秘密のアジトへ

 「ユーリンタウン」という誰も見たことのない場所への"仮説"が飛び交いながら、それぞれの心境が高らかに歌われるナンバー。
自分はそんなに知らないんだけど、この作品そもそも有名ミュージカルのオマージュが多いらしいね?

・「死ぬまで踊らない」はエリザベートでしょ〜!去年初めて見たので記憶に新しくすぐわかった嬉しい。クラッドウェルさんの歌い方、完全にキレてて良いし「俺のもの奪うなよ」に彼の全部が表れてるようだわ。
・『AvenueQ』のパペット登場はなんて素敵なファンサービス👏👏👏 *8 パペットの少年(プリンストン)があまりにも能天気なこと言うせいかクラッドウェルさんからも警部からもめちゃ殴られてて笑っちゃったけどwww
・「自由を勝ち取れ 潰せユーリンタウン」のところ、演出めちゃ良い!二幕冒頭でも革命軍の動向について説明が入るけど、彼らが人質連れて下水道を移動している様子が実際に描かれるのはイメージの付き方が段違い。
・「鼓動とドラムが響き合う」レミゼの民衆の歌が大好きなうちのママンが先に気がつきました。「ドラム?ドラムなんて聞こえる?」と歌詞にガチレスする母さんを急かしながら「後で説明するから」なボビーは扱いに慣れててかわいい
・サリーちゃんソロ!え、ここまでサリーちゃん歌ってなかったっけ?!ロックストック警部の言葉を鼻で笑って足踏んづけて転がすの、大人を諦め切ってる子供のたくましさが出てて好き。
・「そう絶望のこの街がユーリンタウン」ここのロックストック警部、闇に紛れるのうますぎ。注意して見てたはずなのに見失って、瞬間移動を疑ったわ。
・警部の「形而上学的ってどういう意味ー?!!?」なあの叫び声、置いてけぼり感が面白くて笑っちゃったじゃん!不憫可愛い。サリーちゃん、情けで教えてあげな!


12 Snuff That Girl(女を消せ)

 革命軍は人質のホープを手にかける寸前までヒートアップしている。

《刃物のハリー》新野成彬さん

 気性が荒いお兄さん。どうせやられるんならその前にやっちまおうぜとみんなを煽る。
しゃがれた低い声、吐息みたいな歌がめーちゃ色っぽい。端の方に佇んでナイフいじってるの、それだけでめちゃ様になる。口数こそ少ないけど、だから一言の重みが違うよね。一個前の曲だけど「じゅくじゅくのメロンみたいに」の言い方と、黙ってホープとジョセフィーヌの間に入って縄を解いてあげるところ、とても好きです。
 一幕から、ストロング爺さんが立ちションしちゃった時に家族以外でその現場を隠そうとしたりシーって周りを宥めようとしてたの彼だけだったし、その後も事あるごとにボビーとハイタッチとかしてるから仲良しなんだろうな〜って思ってた。同級生か、もしくは近所の兄ちゃん的な存在かな。

《つぎはぎベッキー》古井彩楽さん/三橋優心さん

 気が短くて物騒なお姉さん。これまでの仕返しとして社長の娘を吊るす気満々。
Pee班 古井彩楽さん*9 衝動に身を任せたようなシャウトがぶっ飛んでて痺れた!ぎらついた目も!高音がキレイ…!
Poo班 三橋優心さん 力強い歌い方にお腹の底からワクワクした…!ビブラートがすんげぇ良くて聞き惚れたわ〜!

 どこにスカパラを隠してるんですか?!と驚くほどぶち上がるジャズ(ロックかな?ダーティで大人な雰囲気の曲調!)で最高だった!
全員で指を鳴らしながらホープを取り囲んだり、各々が好き勝手にスリルを味わってヘドバンしたり叫んだりしてて、怖かったけど楽しかったな。

冒頭で載せたゲネ映像で使われてたのもこの曲なので聞いてください!!!


13 Run,Freedom,Run! (自由へ走り出せ)

 ボビーは革命の目指すべきゴールをみんなに聞かせる

偵察からボビーが帰還して人質の殺害に待ったがかかった時の、みんなの「えーーー」の言い方、事の重大さに比べてあからさまにテンション下がって緊張感まるでないのがおもろいw

 急に始まる厳かな合唱は、毛利さんと長妻さんで指揮のやり方に個性が見えるのでかわいい。この場面だけ革命軍が増える()わけですが、劇中ほとんど笑わないフィップの彼の楽しげな一面が見れたのもとてもよかったです。
Poo班ホープちゃんだったかな?椅子を動かしてもらって、すいませんすいません…ってぺこぺこしながら移動してたのもなかなか笑ったなw

 曲のラストスパートの「自由…そう自由…」の部分は、よくこう、ロックバンドやのボーカルがメンバーと息を合わせてビブラートを気分で伸ばすやつって言ったらわかる?ボビーさん、「そう自由〜」と大きな起伏のビブラートで歌いながら階段駆け上がってそれやったからさあ!音源でこれできるものなの?絶対その瞬間のボビーの気分を見ながら生演奏してるバンドメンバーどっかに隠れてると思う*10
そこでたっぷり助走つけてたから、最後の「走れーーー!」が爽快だったー!!!*11


☆革命が始まってから初めて二人きりで話せた時のこの会話が大好きなので備忘録。
「誘拐なんて間違ってる!」
「本当?大学で教えてくれたの?」
大学じゃ大したことは教わらなかったけどこれだけは、と前置いたホープに対してのボビーの返事が両班で違った!
 Peeの毛利さんのボビーは、皮肉を真に受けてしまったのか、控えめだけど意外そうな声。呆れて黙るホープとの温度差。どこまでも優しいボビーのままだけど今はそれが憎たらしい、って感じ。
 一方、Pooの長妻さんのボビーの言い方はホープに負けず語気が強く皮肉めいていて、昨日からずっとケンカしててどちらもまだ謝る気がないけど無理やり話してる(内容は正直何でもいい)、みたいな気まずさが。あえて相手を傷つける言い方をしたのをお互いに自覚してる感じ。*12


14 Why Did I Listen To That Man?(どうしてだろう)

  交渉決裂


『どうしてだろう』
一幕フィナーレに並ぶ多重構造ソング。自分の選択を悔いる人、相手の気持ちがわからず嘆く人、無情にも他者を嘲り笑う人…人生の最後に見る走馬灯はもしかしたらこのぐらい騒がしいのかもしれないよね。つか、歌と芝居がミルフィーユになってる曲ばかりなんだけど、カウント耳に入れながらお芝居してるとか難易度高すぎてビビるわ!!!!

・ペニーワイズさんの制服が本社の秘書たちのと同じじゃん…!と気がついたのはフォロワーさん。自分はそう言われるまで全く分からなくて…他の人の目を借りるのって大事って思ったのでした…笑
・彼女と秘書たちとのアクションがドラムの音ハメになってて爽快だったな〜!そっちにばかり目がいってしまって、確かそこでホープが歌ってたはずなんだけど全然入ってこなかったのが悔しいw
・「パカーン」
・警部たちが目隠ししてるボビーを連行してく時の乱暴な扱い方と下卑た笑い方。「この街じゃ俺たちが法律」なんて、男声ユニゾンの「ユーリンタウン」のテーマはとにかく真っ黒に感じられて怖かった。


☆クラッドウェルさんについてあれこれ
・入ってくるなり報告をはじめた警部たちを見上げ、見てわからないかね?とか話し中だが?とでも言いたげな目で、ボビーが来てることを示したあの仕草もう素晴らしかった。見せ場は他にもいーーーっぱいあるけど、彼の芝居ではここが一番細やかで雄弁で好きでしたね。
・ボビーの「干ばつが終わったら」という言葉に周りが吹き出したとき、彼だけは笑わなかった。それが単なるパフォーマンスかもしれなくても、交渉相手の前ではそう見せないのがね、さすが長年あの街を牛耳ってきただけのことはある。お金の渡し方も芝居がかってて良い。
・「水の消費量を、コントロール…」ここの茫然としたボビーの言い方!やり方はどうあれ理論的に水不足の対策として先を見据える社長と、具体的な策は持ち合わせず精神論だけでここまできた青年の解像度の差が浮き彫りになる瞬間だなと。
・「明日がないかのように暴動が起こり、実際に明日はなかった」の言い方、とても好き。彼の20年以上の時間と苦労を感じさせる。少なくとも年齢設定的に40歳は超えてるわけじゃない?あの説得力なに…
・フィップ議員が「これ以上俺に手を汚せと?無理だ!」と口答えするのを笑って受け流しつつも、直後に胸ぐら掴んで大きな声出したあれにはひゅっと息をのんだ。間がすげー効いてる。「君!君!君!」と秘書たちを呼びつける時のメリハリも好き。


☆落下
「今まさに新世界の扉の前に立っている!」
「そして決定的な落下だ」
状況を飲み込めてないボビーに畳み掛けるバレルとロックストックの恍惚とした表情マジ嫌い!!!

大好きポイント①この場面の階段セットを動かしてるのがクラッドウェルさんとマックイーンであるところ
配置が最悪で最高じゃないですか???本来そこにはいない人物だから動かしたあとはけてしまうことだってできるのに、落ちるまでの間も彼らがずっとボビーを見上げながらニヤニヤ笑って見てるのがやべーのよ、なんて意地悪で天才な演出…

大好きポイント②ははは、ははは、という笑い声がそのままメロディーを伴って歌詞に組み込まれてるところ
イイよね〜〜〜!!!!!!
この時、ボビーが「どうしてあの時ハートの声を聞いたのだろう」「どうして革命を始めたのだろう」的なことを歌ってるんだけど、人間らしくてめちゃくちゃ好き。喜び勇んで選んだはずのことでも、いざたどり着いたところが最悪の結末だとわかった時、その選択を後悔しちゃうものだよね。*13


大好きポイント③落下
そして落下。落ちながら空を切る伸びきった腕と、その体が地面に打ち付けられて跳ね上がるまでをただ見せられるスローモーション。あのじっとりとして、お腹の辺りが寒くなる感じ。自分の加虐性がどうのって話じゃなくて、それを舞台で表現し得るものなんだなっていう興味深さと、ここでヒーローが死ぬってマジ?!?!?!な展開に呼吸が浅くなってるのを感じました。すげーミュージカルだよな本当に。

15 Tell Her I Love Her( 愛してると彼女に伝えて)

  ヒーローの死、そして”母”は。

ハッピーなミュージカルではない、の意味を突きつけられる場面。ヒーローはこの物語においては主人公ではなかった。

《ジョセフィーヌ・ストロング》進藤ゆりさん/稲葉恵さん

 ボビーのお母さん。愛する夫を失っただけでなく、未来を切り開いてくれると信じていた息子までも。
Pee班:進藤ゆりさん*14、彼女の母さんは何の時でも真剣で不器用そうな人でとてもかわいい。時々おとぼけに見えるのは真剣すぎてその場の空気とズレちゃってるからなんだけど、それにも気がついてないぐらいとにかく猪突猛進で熱いイメージ。

「誰が、誰を、ビルから落としたって?」
サリーちゃんに詰め寄るような強い言い方は、一番考えたくなかった最悪の事態を、そうじゃないと早く否定してほしい、縋るような必死さがあって、この時点でもうだだ泣きでした。サリーちゃんがホープを指さしたのを凝視してたのも、ボビーの最期の言葉を聞いてるときも、ずっと気が気でない様子で、俯いて床でも叩きそうなほど悔しそうだったのが印象的。

「時が経てば、あなたのことも愛せると思うわ」わなわなと震える声が素晴らしかった。そうだよね、今はまだ許せなくて当然だよ。彼女は怒りを力に変えて進んでいく人だと思う。


Poo班:稲葉恵さんの母さんは、おおらかで人より流れてる時間が少しゆっくりなイメージ。包み込むような笑顔のかわいい人。独自の考え方するから周りとズレておとぼけキャラに思われがちだけど、覚悟決めると揺らがないんだろうな。

サリーちゃんの「あんまりうまくいかなかったみたい…」に対する彼女の「何でそう言うの…?」は、言葉の意味を受け取れてない、そもそもそんな可能性を考えてなかった人の声。当たり前だよね、相手の愛娘を人質にとってるんだから、”彼に人の心がある限り”起きる訳がない事態だもん。よく覚えてないのが悔しいけど、泣いてるサリーのこと抱きしめてあげてたの彼女じゃなかったかな。

ハリーから受け取ったナイフをホープに突きつけて「革命軍の代表として言わせてもらうけど」と言った時の凛々しい目よ。彼女はもう、悲しみに暮れない。


 ペニーワイズさんがホープの母親であった、クラッドウェルのかつての愛人だった、という事実を明かすのもここなんだけど、
「明日がないかのように愛し合って、実際に明日はなかった」
”あの時はどうしようもなかった”という、後悔とも懺悔とも釈明ともつかない、でもどこか愛おしさを感じる深い深い情みたいなものが声から伝わって、本当によかったな… ホープの手を取るのを躊躇う岡本さんも、そっとホープを抱きしめる鏑木さんも、ぎこちないながらあたたかい母の顔しててもう……大人組の演技力どうなっとん?!?!?!


 サリーちゃんが「愛してると、彼女に伝えて」と最期の言葉を伝えるのがアカペラ始まりなのも、引き継ぐようにボビーが歌ってく演出も、涙流しながらすげ〜〜〜って感心してたのでもうぐちゃぐちゃでした。みんなが騒ぎ出しちゃって「待って、お願い、続きがあるの!」と言う時のサリーちゃんの声も泣いてて、とにかく辛かったな…

16 We’re Not Sorry (反省しろ/反省してない)

  革命軍は新たなリーダーと共に反撃に出る。

 逆転劇としての展開も、強弱のはっきりした音楽も、地団駄踏むようなダンスも、何もかもがスカッと気持ちのいいエンタメに振り切ったナンバー!
 下水道を探索中の警部たちをうかがう革命軍が、隠れるにあたって「反省しろ、反省しろ」とヒソヒソ声で歌うの、すっごいドキドキする。しかしながら「悪党の手先は、消し去るべきだ!」などと大熱唱してサクサクと人殺しが済んでしまうミュージカル初めて見たわw

 警部たちの持ってる警棒が懐中電灯にもなるの、万能だし理に適ってるしカッコよくていいなぁ、と思った場面でもありました。
あと、急にバレルが「俺も愛してます!あなたを…!」と言い出してエーッ?!になったし、警部の返事を待ってた時のうずうずしたおめめが可愛かった!笑

 移動中のダンスがめーちゃ楽しくて大好き!ダンスフロアの真ん中に躍り出るようなノリの良さと躍動感がカッケー!全編を通してダンス振付素晴らしい。机と椅子を運びに出てくるのが今の今殺された組なの、容赦なくてサイコーw

17 We’re Not Sorry Reprise (反省してる?俺はしてない今も)

  時代は変わる

「覚えてる?星空」
この訳詞のセンスやばないですか???クラッドウェルとペニーワイズのデュエットは、短い曲ながら2人の過去を想起させる。
(どシリアスな局面だってのに、何だこれ歌バカうめぇ組み合わせじゃねぇか最強〜〜〜〜〜って大興奮してたことは内緒です。)

 ミスタークラッドウェル。ペニーワイズさんからの一言で、膝をついた場面。いや、膝をつくまでのあの数秒、橋本さんの芝居を自分はもう忘れられない。
 悪臭時代には確かに明日への水を守るため理想を掲げていたかもしれない。しかし権力とお金の山は御しきれないほど膨れ上がり、いつしか目は眩み、矜持は驕りになり、理想は欲にまみれ汚れてしまった……それを他の誰でもない彼女に見透かされて。何か言い返そうと口を開けるも、彼女の眼差しから逃れ得る言葉は見つからず、力なく首を振りほぼ全面降伏といった様子で。うーん、持ってる語彙じゃこの感動伝えきれんけどさ、彼の数秒の後ろに自分は、クラッドウェルさんの見てきた20年の景色と、思いの変遷を見たんだよ。本当に、素晴らしかった。*15


18 I See A River (川)

  革命軍は勝利し、民衆は自由を手に入れた

 これは勝利の凱歌であり讃美歌であり、未来崩壊に向かう行進曲。
アカペラで始まるホープのソロ、大河のように穏やかで深く沁み渡るビブラート。
「川はあなた、川は私、川は彼、彼女」のフレーズ好きですね。ホープは宗教団体の教祖になれそう☆

ホープ》土田鶴子さん/竹内琴美さん

 独裁者の父に代わり、正義の心に従う素晴らしい世界を導こうとする
Pee班
土田さんのホープはこの場においても変わらない。行動の指針もみんなへの笑顔もあの頃のまま。マックイーンからの「お父様は水の消費量について…」と言いかけた危険信号をプイと無視したのは、彼女にそんな情報は必要がなかったから。彼女の思う正しい答えが既に彼女の中に存在しているから、あとはそれに素直に従うだけでいいんだもん。「私たちが従う独裁者は正義だけよ!」独善的、とまで言うと強いけど、割と序盤から溢れ出る自信や迷いの無さがパパと似てると感じてたので、ラストにはやっぱり…と納得さえしてしまった。自ら崩壊に向かって舵を切ってたホープ

Poo班
一方、竹内さんのホープは彼女自身が変わってしまったと明確にわかる。笑顔は変わらず美しい、けど目はどこを見てるんだ…?「あなたが何かわからない?」とお母さんに向かって言う時の表情はもう悪魔の微笑み!マックイーンからの警告を「パパは独裁者だったわ」と遮った時の不機嫌な様子から、どこか否定のための否定を感じて。パパに向かって啖呵切った時だって、ひどく感情的で拗ねてるようにも見えたし。純粋とは恐れ知らずでもあるよね。その場その場で愛に従い進路を決めてたら行き着いた先には崩壊が待ってたホープ

竹内さんのホープではこの『川』の歌が一番好き。軽やかに弾むハミングが今でも耳に残ってます。


 いつの間にか彼女が掲げてた旗に血の色の💀が浮かんでたの、最後までいつそうなったかわからなかった…
少しずつ少しずつ、ハッピーな音楽が不協和音になっていくのと、行進する民衆が倒れて減っていくのと、死んだはずのボビーやクラッドウェルがゾンビのごとく現れたのが同じで、街そのものが死地と化してく様がポップに描かれてて、うわうわうわ…とそのブラックジョーク的な気持ち悪さに身の毛がよだちました。星新一の読後感!


18.5 URINE TOWN (ありがとう、そしておやすみなさい)

  終わろう

「言っただろサリーちゃん、これはハッピーなミュージカルじゃないんだ」
愛があれば今は平和で、愛さえあれば多少汚くても平気で、愛さえあれば 水が 、なく てもーーー?

ああ無常。そしていつの世も人間は愚か!
「このミュージカル、あんま人入らないと思うよ」と言ったサリーちゃん、それは間違いです。

「人生はままならないっていうメッセージを聞きに来たいとは思わないかい?」
聞きに来たいです!!!!5日間じゃ見足りなかった!!!3年ぐらいロングランしててくれ!!!





カーテンコール

 さすが一筋縄じゃいかない、ナレーションが常駐する『ユーリンタウン』。最後まで楽しませてくれるな〜!と思った粋な演出があるので書かせてください。
映画で例えたらわかりやすいかな。クライマックスもしくはエンドロールが終わった瞬間に「はいカット!お疲れさまでした!」と言うスタッフの声が聞こえてくる所謂バックステージものを想像してほしい。

 フィナーレ、全員で「終わろう」と歌いあげたと同時に照明が落ちて、ハッピーな音楽と共に明るくなった時、ロックストック警部が照明を目だけで斜めに見上げて「お、無事に終わったね」とでも言いたげな笑顔になったのを見て、自分はもう大喜びしたんです。”これは今「カット」がかかったぞ!!!”って。

 さっきまで敵対してても関係なく近くにいる人たちと握手して肩を叩いて労い合ったり、こっちではボビーがホープエスコートしてあげていたり(お姫様抱っこはずるいぜ)、向こうでは動かした舞台セットを何人かで元の位置に戻したり……みんな笑い合いながら好き勝手にはけていくあの僅かな時間は、あまりにもスペシャルな大団円。本編じゃあり得ない、でも見てみたかった夢のショットに込み上げてまた泣いた。

 その後また音楽が流れ、拍手が手拍子に変わる二つ目のカーテンコール。ここでようやく素の、役を脱いだ彼らが見えて。なんだね、本編じゃあんなに堂々と振る舞っていたのに、インフォメーションをしゃべる時の方が緊張するのかい?面映げな彼らの笑みに胸がいーっぱいになった。


学生にできる最高のミュージカル

 Seiren Musical Projectさんは、そもそもが大学生のミュージカルサークルなので、良くも悪くも「学生」という言葉を切り離せない。
 例えばこう、今学生である彼らが卒業してしまったら。もしくは俳優に進む方がいたとして、いずれどこかの舞台に立つことがあっても、もうこんな役には二度とお目にかかれないのだなと思った。成人した娘を持つ父親や、街を牛耳る政治家や、民衆をいびる女主人や、あるいは悪役どころか物語を引っ張る主人公さえ、そのキャリアや若さ故にそもそも振られないかもしれない。純粋に、「学生だけで」彩るから叶う夢の配役であるし、それを目撃できたのが何より奇跡であったのだなって、今噛み締めてるところ。『AvenueQ』的に言うと「今だけの、このショー!」ってやつ。えーん、みんな卒業しないで…(やめなさい)

 ただここで断っておきたいのは、褒め言葉のバネとして「大学生”なのに”すごいね」と言いたいわけじゃない。むしろ今回で、見た目や経験や年齢に頼らずとも、表現の方法や歌唱・演技の向上で十二分に「その人物の人生」分の時間を感じ取ることができるんだ、って証明してもらった!*16

 彼らが彼ら自身のためだけに研鑽を重ねて、ここぞの本番のために力を発揮する、そのキラッキラな時間をこちらに共有してくれて本当にありがとうございます。どこの学校とか誰が出てるとかじゃなく、甲子園や駅伝を応援するお茶の間ファンみたいなもんだけど、これからもお客さんの一人として、Seiren Musical Projectを観に行きたいです。


 今回ほぼそっちのけだったけどせいれんに出会わせてくれた演出家さん。配信、待ってますけど…





せいれんの情報

①17期卒業公演『Endless Ends』(2023年2月9日〜12日)

まさかの本日から開催されますのよ皆様!!!卒業してほしくなさすぎ世代。
最推し俳優(今回の舞台の演出家さんです)の舞台スケジュールとどんかぶりだけど行きます!!
チケット代が映画館の大学生料金と同じってやっすいにも程がある



キャスト紹介のストーリーアーカイブとか過去の公演の振り返りも見られるのは17期卒業公演特設インスタだけ!

②『Little Shop Of Horrors』(2023年3月15日〜20日)

ユーリンタウン組の出席率が爆高いのでみんな観に行こうね!!!
ダブルキャストどっちも見逃せねぇからうちは家族で両方観に行く所存です。

略してリトショの情報は主にこのせいれん総合インスタで見られます!

③20周年記念公演『SPOTLIGHT』(2023年1月29日)

既に公演自体は終わってるんですけど、この20th公演特設インスタでは披露された楽曲紹介や公演時の写真が上がってるので併せてチェックしてみてほしい!


ありがとう、そしておやすみなさい。
では、寝ます!

自堕落

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*1:先日の20周年記念公演『SPOTLIGHT』じゃロックもバラードもいっぺんに聴けちゃって、セリフの前に、歌でズキュンと撃ち抜かれた気分でした…今後の活動も楽しみにしてます😭

*2:関係ないけど「失礼しました」の苦々しい言い方は大好きな演劇作品『熱海殺人事件』っぽさを感じて大喜びしてしまった

*3:クラッドウェルさん、声質的に『君は薔薇より美しい』なんて最高じゃねぇか歌ってくれ、と思っていたのですけど…そしたら17期卒業公演のインスタより、キャスト紹介ストーリーで小声とはいえ歌ってるところ見れちゃって、なんかこう、大爆発しました(?) 本気モードじゃなくて助かった

*4:この表現をするべきか非常に悩んだのですが、自分だけでなく母親もフォロワーさんもそう感じたと言ってたので。

*5:備忘録:おやすみ、って言い合うキス、この二人の初日だけ頬に手を添えるタイプだったの萌えた

*6:どんだけ好きなんよというツッコミは置いといて。おかげで日本語でほぼ全編脳内再生できるようになりました

*7:ブログ冒頭に載せたゲネ映像17秒をぜひ。長妻さんの表情クールだ…⇦秒数書くために見返したら記憶の5倍ぐらいかっこよかった…

*8:2019年に第46弾として上演された『AvenueQ』は、今回と同じ演出家さんが担当しています

*9:長いことお名前の漢字間違えてたことに気がつけなくて申し訳ありませんでした🙇‍♂️

*10:安心と信頼のオケ制作:佐々木誠也さん。相変わらず人の感情の後押しをしてくれるようなすげー音作りますね

*11:備忘録:「恐れるな、必ず」とみんなで歌いながら裏拍で手拍子してる時、毛利さんの手拍子がみんなとずれてたのを見て、か、か、かわいー!とときめいてしまったことを書かせてください。すごくこう、ボビーっぽくて…

*12:そんなシーンは訪れない訳だけど、もしもホープがボビーに別れを告げることがあるとしたらPee班は「ボビー、あなたは変わらないわね」だと思うし、Poo班は「ボビー、あなたは変わってしまったわ」だと思う。 (架空の別れ話で二人の関係性を語ろうとしないでください)

*13:あと記憶が定かじゃないけど、舞台セット動かされてる途中で照明が全く当たらなくなる瞬間があって、それがカメラアングルの切り替わり(彼らのいる場所の高さ)にも、今後の展開の予見にも感じられてゾクゾクしましたね。深読みしすぎなのは心得ています。つか、そうじゃなきゃこんなブログ書いてないので今更ですが

*14:8月の『Footloose』でもヒロインのお母さん役で出演されてるのを観て、一つ一つのセリフにしっかり気持ちを込めるような言い方がグッとくる方だなと思ってたので、続けてプリンシパルで拝見できたのめちゃくちゃ感動しました。

*15:備忘録:クラッドウェルさん、落とされる間際までやめろ!って叫んで抗うんだけど、千秋楽でそこにか細い「やだ」が入ったのが堪らなかった!権力も実力もあり自信と威厳に満ちた男が、金を手に入れ過ぎたことで驕り身を滅ぼす……なんちゅう理想のヒールなんだ……👏

*16:あと、自分で書いておいて何だけど、こんだけの文字量で感想ブログ書きたがる人間が生まれたぐらいには、皆さんが届けてくれたものは本当の本当に素晴らしかったんだから!見返してみてスクロールバーの短さに震えてる。自分が読む方なら絶対ヤダ…え?ここまで読んでくれた人いるの?マジで申し訳ないありがとうございます…