自堕落なるままに日暮らし

全ての感想は備忘録

バルスキッチン『どぎまぎメモリアル』(2020)感想 ::: 前だけ見て突っ走りやがれ!

バルスキッチン第11回公演『どぎまぎメモリアル』



 見て来ました!!!楽しかった〜!バルスキッチンさんの公演は必ずといっていいほど観に行くのだけど、このタイトルは2年前、自分が一番最初にバルスさんに出会った時の公演で大変思い入れがあったので、また再演が決定したのがまず超〜嬉しかった!
 おまけにバルスにとって初めて演出を他の方に、という試みだったみたいなんだけど、そこに抜擢されたのが自分の一番信頼している俳優の浮谷泰史さんだったので本当〜〜〜にしあわせだった……



あらすじ

映画監督を目指す拓郎はある出来事をきっかけに部分的に記憶を失ってしまう

そこに当時の旧友から授かったバーチャルリアリティゲーム「どぎまぎメモリアル」

それは自身の想像力を元に恋愛シュミレーションができるゲーム
あんなことやこんなこともできる中で拓郎は違和感を感じる
「俺・・・これ知ってる」

破茶滅茶なゲーム展開に食らいつきながら拓郎は自身の記憶を取り戻していく・・・。

公演詳細

日時

2020年3月4日(水)〜8日(日)
4日(水)14:00A/19:30B
5日(木)14:00B☆/19:30A
6日(金)14:00A☆/19:30B
7日(土)14:00B/18:30A
8日(日)12:30A/17:00B
☆…アフタートークショー

劇場

高島平 バルスタジオ


【注意】ここからは役者さん個人の感想と備忘録。千秋楽終えたのでネタバレばりばりにしています。


野原拓郎 役:寺木慧佑さん(Toy Late Lie)
 体の動きが軽やかで、反応が素直で素敵な拓郎だった!ザのつく主人公・拓郎!初めて拝見したはずなんだけど、やっぱり拓郎だからかな?また会えたね〜!と思って、ドア開けて入ってきただけで嬉しくなっちゃった!

 拓郎といえばツッコミ!なんだけどとても良かった!”欲しい音が来る”感じ。康介に向かって「寝てんのかよ!」とか「お前が悪いよ」の言い方が好き。
 それよりもっと好きだったのが、お父さんが今日こそ言うぞ!って真実を話し出そうとするのを「だからか!なんか身体中鞭打ちみたいに痛いなぁって思ってたんだよ!」などと全部先に言っちゃう、って場面。時折高くなるお声がとても心地よくて台詞まるまる覚えちゃったぐらいには好き。
「言い訳でー!その事故のショックでー、俺は部分的に記憶を失い、数日間を過ごし、父さんが真実を話すってくだりに至ったわけだ!」のフレーズは一個一個の手の動きもツボ。序盤のこの捲し立てる拓郎節は歴代で一番好きだな。

 藍堂編攻略中のスローモーションの演出で一人ツッコミ無双しなくちゃいけないシーンの困り果てた顔がとても良かった〜笑

※拓郎については後述しています。



藤原楓 役:古賀成美さん
 楓ちゃん本当に好き…誰かを応援する立場にいる自分にとって感情移入しやすい台詞がとても多いこともそうだけど、拓郎に訴えかける時の熱さや健気さが本当によくて毎回彼女の場面で超泣いた。
案内さんに紹介される登場シーンで反応を示さない康介たちに「お前ら💢」と怒るところ、案内さんに「兄ちゃん舐めとんかワレぇ?!」と胸ぐら掴むところ、巻き舌具合とかが本場仕込みな感じで大変面白かったです笑

 「拓郎にとってはつらくても、思い出して欲しかった。忘れられるのは辛かったよ」と拓郎の腕を掴んで泣く場面。個人的に楓ちゃんて、強がりで寂しいとか言えなくて、一人でも大丈夫って言われがちなイメージのヒロインだったんですけど、古賀さんの楓ちゃんは純粋で素直で、気を許した人にはしっかり自分の気持ちを伝えられる子なんだなぁって思って嬉しくなりました。最後、映研のメイキング用の音声でも「拓郎が撮ったんだから大丈夫っしょ」ってしっかりデレてて良かったです。



高橋陸 役A:山越大輔さん
陸くんはどちらもはじめましてさん!

 山越さんて体幹どうなってる?!お父さんに殴られたあととか、バッティングシーンとかマトリックスみたいに上体反らすやつやっててしなやかさに驚いちゃった!
 野原家から一斉に土下座された時の「えーーー!?」みたいな、困った時の顔が好き。黙るとシュッとしたイケメンなのに叫んだり泣いたりすると一気にギャグ漫画の顔になるのすごい良かった。「何言ってんだよ拓郎!平等に愛されてるじゃないか!!!」ってお父さんお母さんと抱き合うシーン、漫画の大粒涙みたいなやつを錯覚で見た。


高橋陸 役B:柿原悠希さん
 柿原さん、スーツ着た時の足の長さが半端ないイケメンなんだけど、一ノ瀬くんと話してる時のノリが絶妙にダサくて大変良かった…笑うとふにゃっと猫ちゃんみたいにかわいいので、藍堂瑠衣&瑠奈のダンスに加勢して踊ってる時とか、スウェットの裏の笑顔パネルとかめちゃんこ楽しそうでにこにこしちゃった!
 ズドンさんの前説中から板付になって漫画読んでる陸くんだけど、康介をシカトしてなくちゃいけないのに笑っちゃって漫画で顔隠したり、漫画をエロ本にすり替えられてたりしてそのいじられ方も面白かったな〜!




拓郎の寺木さんも合わせて家族4人の身長やお顔立ちがとても似てらして家族感あったよ野原家!
野原亜紀 役:犬塚しおりさん
 亜紀ちゃん、「のぶくん…」と返せばいい感じに話を繋げられるっていうシーン、話ちっとも聞いてないってわかってたけど、いきなりアメリカンドッグやとうもろこし食べ出したから、そう来たか〜〜〜!の連続!アメリカンドッグの棒引き抜くの衝撃的で今度やろうと思いました。
お父さんから謎のお小遣いもらった時の"これは使える…!"的な目の輝き具合が最高ね!「おかー…!」とお母さんを呼ぼうとするだけで「待って待っておかしいじゃん!」と言いつつお金出してくるお父さんとの駆け引きウケたな〜

 最後「あきちゃん、ずっと悩んでたんだよ!」と部屋に入ってきたとき、お顔の涙を拭う仕草されてて、そこに貰い泣きした…


野原恵子 役:副島美咲さん
 お母さん美魔女過ぎでは?!拓郎の「あきもなんかでっかくなってるし父さんも老けてるしおかしいな〜と思ってた」という台詞を聞く度に、「でも母さんは変わらなさ過ぎる」って心の中で付け足してました(何の話)。
一ノ瀬くんに「一段とお美しい」と褒められて泣いちゃって、あーん!て声あげるだけじゃなくてうれちいよぉ😭って言ってたり、お父さん助けに入ってきて「見てみろ、宇宙一美しいじゃないか」って言葉にやだもう…て感じで照れたりチュッてしてたり、反応が可愛い人だな〜〜って思った。

 しかし手に持ってた食品サンプルちっくな食べ物は結局何だったんだろ…焼そば…?


野原俊之 役:山田亮さん
 お父さん!「なんだよ!ためてためて渋くいこうと思ってたのに!」と拓郎が全部言っちゃったことにもだもだするところ、ちょっぴり滑ってあきちゃんに「お父さん?」とフォロー入れられるの含めて面白くてすんごい笑った。
亮さんお得意のモノマネは今回封印かな〜と思ってたら随所にあったね笑 ハリセン食らったあとの「親父にも殴られたことないのに…っ笑」のドンピシャ具合にはしこたま笑った

 「いいじゃないか、情けなくたって、悔やんだって」と拓郎の頭を撫でるシーンはやっぱり泣いちゃった。最近亮さんを拝見する時はいつもお父さんの役なんだけど、大らかさとあったかさが素敵だなぁと思います。康介にD3を返してから「いつできるかな?」とか「身分証いる?」とかって何回もドア開けてくるシーン、康介役のズドンさんとの攻防がマジ大好きだった😂千秋楽は4回目開けた瞬間に閉められてガチャガチャしてたのお腹痛かったよ!




斎藤康介 役:ズドンさん
 力の凄さを目のあたりにしました。最初に見たお父さんの印象が強かったから、康介役だと聞いた時は「えっ同級生やるの?!」ってけっこう驚いたんだけど、一番ハマってた気がする。限りなくズドンさんに近い康介!笑

 どこまでがアドリブなのかわかんないぐらいボケてボケて散々ボケ倒すくせ、大事な台詞にはそれと気づかないぐらいそっと自然に気持ち乗せてくるからすごいよな。特に、「死ぬかもしれなかったんだよ」のさりげなさには毎回目頭が熱くなった。

 前説からオープニング入る時、あまりの速さに初日見た時ほんと可笑しくて自然と客席から拍手起きてたよね!わかる。のっけからズドンさん劇場。「デュクシデュクシ!」って布団にいる拓郎をチョップしても起きて来ない回があったり、ガチでおにぎり食べる回とかガチで缶チューハイ飲む回とかとにかく初っ端からスリルがすごい…そんなぎりぎり攻めないでよ…笑

 寝言シリーズ。「どっちが好きー?」のパターンがだいぶ好きだった!でもねぇ、無呼吸症候群のリアルさがやばいと思う(笑) この時ばかりはもう本気で心配になってきて、そこよりむしろ必ず客席の左手最後方から演出家の笑い声が響いてくることに笑ってましたね。
「わかんないっス…サーセン!」シリーズは全部大好物。「いやなんかぁ、発注したんすけど、はい、」ってとにかくズドンさんが怒られて泣きそうな声出すのが好きなのかな…

藍堂編攻略中にバトルが始まった謎のぶっとび展開後、「康介…刀になってなかった?」に対するズドンさん「我、鞘なり」のドヤり方、クッソ面白かったよね!!!!天才!!!!
いやーこれは字面にしてもわかってもらえない!みんなDVD見て!!!


一ノ瀬廉 役A:上田雄太郎さん
 いい感じにキモくて最高だったね!回を重ねるごとに髪の毛を短く切られるっていうネタをやってたらしいけど、まぁ一番顕著だったのが上田さん出てないB班の千秋楽、ってところの残念さも含めて愛らしい奴って感じ!笑

大道寺先生リスペクト😍😍😍な様子が可愛かったな〜!「一ノ瀬くん!一ノ瀬くーん!」と呼んでもらえただけでわっほーいみたいな声出してたの、途中から大型犬みたいに見えてきたもん。「お命!」のズドンさんとの決闘シリーズは「影分身の術!」つって何にも増えてなくてすぐビンタされちゃうアレが一番ウケたね笑

お母さんを「恵子殿、今日も一段とお美しい」と褒めて泣かせてしまったことで、お父さんが助けに入るやぶっちゅー!とキスを食らってしまう場面、一人でそっと震えながら「ふぁ、ファーストキス…😨」って言ってて単純に気の毒だった…



一ノ瀬廉 役B:尾上恭平さん
 この人も手堅いよな〜!出番で必ず笑いとって帰るぞって気概のある小ボケたち…絡む役者さんとのネタの仕込み具合がすごい…沙希役の飯塚志織ちゃんとは特に息が合ってたよね!沙希たんの"師匠"として陸くんのプレイに参加してたの面白かったな〜!結局沙希たんから渾身のパンチ(ビンタ)を喰らって頬押さえて大ダメージ…なのすんごい笑っちゃったw あとズドンさんとの決闘シリーズ(「お命!」のシーン)は、いっぱいあってあんま覚えてないんだよね笑 「結局ドローじゃねえか!」のハモリ方がぴったりで楽しかった!

 終始高めの声で喋ってる印象だったから「失恋を経験して、男は磨かれてくもんです」って台詞で、急に低くていい声で拓郎にドヤるから毎回おかしかった!‪w

歴代で一番爽やかな一ノ瀬くんだと思ってるんだけど、でもゲームの解説しながら「人間の想像できることなら大方なんでもできるようになってます」って台詞で、最後のほうオタク特有のデュフフ笑いになってていやーしっかりキモい!になった(褒めてます)。尾上さんは浮谷さんの演出で何作品か拝見してきたのもあって個人的にはバルス進出めちゃ嬉しいんだよな〜!またぜひ出て欲しい!



藤浪志織:井坂仁美ちゃん(仮面ライダーGIRLS)
 彼女に王道美少女な幼馴染の配役したの誰!?えっ、最高にも程がありませんか??!髪も制服もおめめも淡いピンク&まっちろ陶器みたいなお肌でそもそも二次元少女感バリバリなところに、お得意のキレ芸…💣シーンの「いつまで待たせとんねん💢」の崩れ方が最っ高に決まってた!煙草かと思ったらお菓子だったのね…カリッて咀嚼音だけであんな笑いが起こせるの仁美ちゃんだけだと思う

 例年通り「待った?」のシーンは食パンくると思ってたから裏切られたわー!ここの拓郎の「けっこう待った!」ってツッコミもだいぶ好き。「来ちゃった💕」をはじめ王道の可愛い台詞は数あれど、自分の中の一番は、終盤で拓郎が選択肢の②「詩織の顔が見たかったから」を選んだ時の「変なのー!」です。これの言い方がマジのマジで可愛い。破壊力満点。もう可愛いしか言えない。

 それにしても千秋楽の遊び具合はやばかったね。。。まさかあそこまで幼女感出してくるとは思わず、電話に出た時の「もっちもーち?」には悲鳴をあげそうになったね。可愛いの暴力ってああいうの言うの???



美鏡美羅 役:小田あさ美ちゃん
 いやいや!小田あさ美ちゃんにビキニ&オーバーサイズ白シャツ1枚て!あかん!!!と思ったんだけど、ちゃんとえっちなはずなのに(それともえっちに振り切ったからこそ?)何故か誰よりもコメディー枠な感じがして、さすがバルスレギュラーは違うなぁと感心してしまった。ズドンさんとのコンビだからかしら…藍堂編攻略中のスローモーションで康介と一緒に顔出しちゃった回があったけど、拓郎から「何この時間?アフターなの?!」ってツッコまれてたのめちゃ笑った。

 拓郎に「美羅さんがいないと俺ダメかも」と言われた時にくしゃっと泣きそうなお顔して「必要とされてる…!」と言うシーンすごい好きだったな〜!膝枕してあげる時の色っぽさといい包容感といいピカイチ。自分も美羅さんに「しょうがない子ねぇ」って言われたいよ〜〜〜

 エンディングでズドンさんとお尻をハリセンで叩き合ってたのガチで痛そうで実はめちゃ心配しちゃった…



藍堂瑠奈 役:柳瀬晴日ちゃん(fragment edge)
 まず一言良いですか…ビジュアルがド好み!!!ブロマイド撮影時は和装アイドル可愛いな〜ぐらいに思ってたのに本番は片肌脱ぎで大興奮👏オープニングかな、登場時のポーズで舌出してた感じとか、ベッドに腰掛けた時の仕草のイケメンさで、あっこれただのかわい子ちゃんじゃねぇ…!になってドキドキした!

 歌のうまさも然ることながら、ちゃんはるボイス七変化には鳥肌!「だーいすきなんだもんっ💓」からの「瑠衣は…その男がスキなの…?」の落差に寒気がし始め、「関係あるよぉ!!!」の爆発に悲鳴をあげたのは自分だけじゃないよね?!やっと本領発揮かとも思いましたけれど(?) ヤンデレの権化。

「最後にっ…皆さんに一つ、お願いがあります…」の某アイドルの物真似っぽい挨拶の顔芸ヤバかったな〜!すっかりバルスレギュラーだね柳瀬ちゃん!笑



藍堂瑠衣 役:真部小夜さん
 あのね、超好き!めちゃめちゃ好き!真のバルスレギュラーは笑わせどころの深みが違う!とにかくずーっとお腹痛かった!ライブシーンとか見事に誰からもマイク持たせてもらえないあの役回り、サイコーだよ!

 ライブ良かったよと拓郎に褒められて「本当ですか?!」と喜ぶシーンで「全然歌わせてもらえなかったけど…」とおめめぱちぱちするの超キュートなんだよな(そこ?)!「連絡先が書いてあるでござる!」「嬉しいナリ!」といきなり侍口調なのも突然すぎて良い…火照ったお顔を手で仰ぐ仕草が女の子でキュンキュンした…

 そして触れない訳にはいかぬ、あの『ツインテールが外せる』件。今回も素晴らしかった〜!衝撃的だけど、どぎメモ2018での瑠奈ちゃん役を観劇してる身としては、ビジュ解禁があった時点で期待しちゃったポイントでした!笑 そう、今回は瑠衣ちゃん役だからおとなしいかしら?と思った自分が馬鹿だった。。。転んでもタダじゃあ起きないのがマナマナさん。殺されてもなかなか死なないのがマナマナさん!!!拓郎を庇って死んだ、、、と思われた瞬間に「はっ!拓郎さんっ!」と息を吹き返すくだり!あのしつこさがもう〜〜〜しゅき!w
 コメディーで役者さんがお客さんの笑い声を待って次の台詞にいくってのはよくあるけど、みんなに向かって「拓郎さ…拓郎さん聞いてる!?拓郎さんどこ?!」ってわざわざ呼びかけちゃうの、マナマナさんじゃなきゃ出来ないよな〜〜〜!案内さんがしつこさにキレて殴りかかろうとしたり、拓郎も"ほらまだ逝ってなかったじゃん"的にうんざりしてるのを陸くんや康介が宥めたり、って周りもごちゃごちゃなのに、それでも自分の色しっかり保って「本当はね!本体、こっち(外したツインテ)なの」って決めに来るところ、見事すぎてため息出たもん。好き〜!

お疲れ様でした!!!



虹谷沙希 役A:小城祐介さん
 びーっくりしたの!!!KJさん、ちゃんと女の子だったの…!!!『歌舞伎町シュガーナイト』の時のHIDEMIさんの時よりずっと女の子だった…キャラクター紹介シーンの「私が使っちゃったあとだけど、いい?」と首傾げた第一声、いや声かわい!になるんだよな…何で…待機ポーズはまるでボディービルダー風に構えてたのに…声が女の子…

 終盤、拓郎からの返答に少し照れて「いいですよ、これでいつでも拓郎さんのそばにいられますね…」ってしおらしい顔した時に、ああ抱きしめたい!って思ったもんな。素敵だった!

 逆班だとアナウンサー役でちょこっと出てたけど、やっぱり着痩せする質なのかしら…背も大きいしガタイも良い印象あったのに全然感じなくて、ああいう女性いるよな〜って普通に受け入れてしまった。

 これは本編とは関係ないけど、チェキ会の終盤に「私まだチェキ撮ってないんですけど(⤴)って方ー!?」と会場中に響く声でアナウンスしてくれるの、大好きです。





虹谷沙希 役B:飯塚志織さん
 こちらの期待を裏切らない安定感。そして、こちらの予想を大きく裏切ってくるキャラ作り!津軽弁は反則だぁ…

「オラのパンチは師匠直伝!」の言い方のもちもち具合が最高にかわゆくて、いつまでも聴いてたくなるあの津軽弁。自分も沙希たんと秘密の特訓したい😢

 あとさ、マルチプレイでみんなお気に入りキャラを連れて拓郎を見守るって場面の沙希たん、やばい。
ベッドに腰掛けた陸くんの足元に座り込んで陸くんに頭撫でてもらってるのマジ…そのぽやぽやうっとり顔見てるとマジさ……もうあえて言葉を選ばずに言うんだけど、「飼いたい」って思った。あれはダメだぁ…

 ビジュアル撮影時はブルマだったわけだけど、本番ではジャージのズボンはいてて正解!と思った(じゃないと卒倒しちゃってた)。きっちりへその上まであげててダサい感じもまたかわいらしさに変えちゃうの飯塚志織クオリティ。

 今回のポスタービジュアルとかデフォルメステッカーとかのイラストちょーーーーー可愛かった!!!美人な上に芝居も絵も上手いって何なのカンペキ…




案内誘 役:菅野英樹さん
 いったい何種類の声出せるんですか?ってぐらい声帯が自在。声優さんでもあるしそりゃそうだろうけど、長い手足も表情もこれまた自在。こういう役、見たかった。(ちなみに初見は『隣のきのこちゃん4』の"販売員ミヨコ"なる女性役でした笑)

 面白かったし怖かったし視線泥棒だし抜群の安定感だしすげー!!!ボケ…とはちょっと違くて、表情や仕草で見せるリアクション小ネタが一番多かったのが彼でしょう!詩織攻略中の映画館でいきなりポップコーン食べ出すところとか、オープニングに横断幕持ってるキャラクターたちに"こっちだよー"って手招きするところとか、ウワッ好き!!!な場面めちゃめちゃいっぱいある…あと「3つの選択肢が出るので」って指を3本だすところ、あまりの指の長さに目を見張ってしばらく台詞が入ってきませんでした。

 でも一番はやっぱり藍堂編か〜!ライブ中マイク奪って歌い出すの、ワンフレーズのくせに歌上手すぎだし!瑠衣の絶命シーンで「瑠衣、瑠奈の好感度が、0になりました」って言おうとしたら「拓郎さんっ!」て瑠衣が起き出して、ん…?て顔したところの表情も堪んない!客席に向かって、"ちょっと待って、もう少し様子見ます"的なジェスチャーしたり、いつかの回では痺れを切らして刀掴んで自分から殺りに行こうともしてたり😂😂😂結構口の悪さも極まってて、ワイルド系な案内さんとても楽しかったな〜

 ちょっとホラーじゃん怖!!!と思ったのは、全てのキャラの攻略が済んで「オリジナルキャラのストーリーが解放されました」のシーン。拓郎は「何やってんだ俺…」と覇気のない顔でD3を外したのに、真後ろにいた案内さんが彼の腕をそっ…と押し上げてD3を掛けさせ直したところ…「おめでとうございます!」と言う声は明るいけど、ゲームが意思を持ち始めたような、ゲームと現実の境がうやむやになるような感じの演出に毎回ぞっとしてしまった。ちょこまか歩くのとか好感度100のモーションとかはペッパーくんを彷彿としてやっぱり可愛いですね。




大道寺伸宏 役A:江口航くん
 素晴らしかった。今回の座組みで一番好きだった。初日観終わった直後の自分のツイート見返したら『江口航!!!!!!!!!』でした。
 ダブルキャストA班の公演は初日と楽だけのつもりだったんだけど彼の"のぶ君"見たさにチケットを増やした程。今まで彼については「かわいい顔してんなぁ〜!」って印象が強かったんですが、今回は特にその表情、リアルなリアクションの取り方(反応の良さ、が近いかな)に何度も目を奪われました。

 あんまりボケに走れる役ではないはずなんですけど、電話の場面で「いやーちょっとなに言ってるかわかんないなー」の台詞の言い方を回によってバリエーション変えてきた時は面白くて大喜びしちゃったし、電話切ってからもふぅ、と胸を押さえて”危なかったー”みたいな顔したり、完全にバレてるのに”セーフ”みたいなポーズしたりと細部まで遊んでて良かったな〜!

ラスト、楓のことを思い出した拓郎と話すシーンの彼、ものすごかった。
「拓郎!!!」と叫んだ声には、憧れ、歯痒さ、悔しさ、苛立ち、大切にしたい気持ち、その全部が拓郎に向かってまっすぐぶつかっていて、あの場面の熱量は本当に素晴らしかったな。彼が”天才”になれたのは自分の前を常に拓郎が走ってたからなんだよね、きっと。
「人はね、過ちを犯しただけでは死なないの、でもね」と諭すところは、あまりにも彼が泣きそうに言うものだから、本当に彼は拓郎の事を心配して心配して、その上で自分の力で這い上がってきて欲しくて、だから怒ってるんだって。そういうのが、もう肌でわかるぐらい、びりびり伝わってきた。A班千秋楽を見た時、そのシーンがあまりにも響いたみたいで、その後の暗転中マジで涙止まんなくて少々パニックになりました。

上から目線みたく聞こえたら申し訳ないんだけど、それでも江口航くんについて""今後が楽しみ""という言い方をさせてください。素敵なのぶ君をありがとう。




大道寺伸宏 役B:川岸銀次さん
 昨年のどぎメモで主演の拓郎役を経て今回、2年前と同じ大道寺伸宏役に戻ってきた銀次さん。かっこよかったな。「一ノ瀬くん!いちのせくーん」の言い方が変わってなくて懐かしかった。あきちゃんに「のぶ君…」て空返事され続けるくだりの返しが上手いから何言うのかいつも楽しみにしちゃった!千秋楽で犬塚さんに「バルスへようこそ」って言っててヒュー!になったよね。

 ラストシーンの彼。この人内側が燃えてんだ、と思った。
「あいつのことを思うと、このまま忘れられるなんて僕には耐えられなかった!」
「どんなに辛くても、楓のことはしっかりぶつかった上で乗り越えて欲しかった」(ごめん台詞うろ覚え)
どんな時でも薄く笑って軽く流すような彼がさ、楓ちゃんの話になった途端、激昂して掴みかかりにいったこの場面。熱かった。拓郎が聞きたくない!というふうにのぶ君の手をいくら振り払おうとしても、ぜったいに離さなかったよね。拓郎が八つ当たりで迫ってきた時はガッと投げ飛ばすこともあって、拓郎に厳しいのぶ君がいて非常によかった。ただ怒りに任せたわけじゃなくて、叱るに近いかな。これ見てる時は自分もけっこうぐしゃぐしゃだったから受け取りきれなかったの惜しいな。

 このあと楓ちゃんが拓郎に向かって「あんたが成功しようが諦めようが、私はあんたのことが好きなの!」と強く言った場面、それまで2人を見守ってた彼がそっと目を伏せて笑ってるのを見てようやく、のぶ君って楓ちゃんのこと好きだったんだな…って気がつけました。銀次さんが”やっぱり敵わないなぁ”みたいな顔で、でもどこか嬉しそうに微笑んでるの、とてもとてもよかったです。

「許すってことはさ、忘れることだと思うんだ」 そう言って拓郎の背をそっと押した手が優しくてまたさらに泣いた。見守る目はあたたかくて、優しくて清々しい。いい男だよ、まったく。また会えて嬉しかったよ、のぶ君。




演出/浮谷泰史さんと《拓郎》
 初めてバルスキッチンという団体に、この『どぎまぎメモリアル』という作品に出会えたのが2年前の4月・浮谷さんが主演を張った公演でした。その時はもうね、感情のジェットコースターに乗せられて降ろしてもらえない!みたいな感じで、とにかく笑って笑って泣いて笑って、大忙しだった。
 比べるのもおかしな話ですが、今年はそこから考えて見ると、少しだけど引き算があったように思います。息つく間があった。拓郎が走ったり立ち止まったり、振り返ったりまた歩いてみたりがわかる、優しいスピード感で。バルスの色は全く褪せないんだけど、要所要所で浮谷さんの演出だぁ…と思えるところもあって。じっくり見れて本当に良かった。

演出について好きなとこ箇条書き
・ゲームっぽい効果音がすごい好きだった!初プレイはどの女の子にする?って場面で志織を選択するときに、拓郎がキョロキョロするのにあわせてピコン、ピコン、ポワワン!ってカーソルが動くような音が鳴ったの芸がこまかくてワクワクしたー!
・キャラクターの登場や待機の時のポーズもいいよね〜!一人ずつ出てきてくるくる回って軽く左右に揺れてるだけなのにゲームのホーム画面っぽいような!横断幕持ってみんながぴょこんっと顔出すオープニングも大好き!案内さんに手招きされて走ってちゃうだけなのに、みんなが二頭身ぐらいのデフォルメキャラクターに見えた気がして初日は目を疑ったぜ
・一番好きなのはやっぱり"時計"だよね。壁にかかった時計がずっと止まってたのが気になってたら、拓郎が前を向いて歩き出せたあの瞬間に動き出したのがわかって、スポットも朝日みたいに綺麗にそこを照らしてて超泣いた。回想シーンのほうのSEも時計の針が戻る音と進み出してもすぐに止まる音、チカチカと順番につく細いライトも凝っててよかったよね
・桜。千秋楽のカーテンコール挨拶で一気に花びらが舞い落ちたのを拓郎が両手広げてはしゃいで、すぐ隣で楓ちゃんが嬉しそうに笑ってて、こ、これが最終回…って思ってすんごいよかった。


 この際だから歴代の《拓郎》についても書くんだけど、昨年までは、ボケばっかの登場人物乗せて王道コメディーぶっちぎってくぜ暴走列車!なイメージがあったのね(言い方)。浮谷さんの拓郎はその先頭。というか運転席で、何ならハンドルもエンジンもガソリンすら彼。共演者から「ツッコミの病気」と言われるぐらいツッコミに長けた役者さんだし、本人の軸がけっこうしっかりしてたから彼が動き出せばみーんなついてくる。
 昨年の銀次さんの場合は、かろうじて助手席か…もしくは一番後ろ。とにかくみんなが彼の手を引きたがって、本当に振り回され巻き込まれ型の愛され拓ちゃんだった印象。銀次さんの優しさをみんなが信じてたからこそだよね。

今回の主演の寺木慧佑さんの拓郎のイメージは、"皆と一緒に走ってたな"、でした。それは彼1人と全員一斉にという図ではなく、それぞれと少しずつ二人三脚でリレーしてくような。彼はむやみに振り回されてる訳じゃなく、皆のほうが彼の歩き出すのをそれぞれのアプローチでけしかけに行ってたように感じられたから。一緒の歩幅で歩いてくれる子、あえてずーっと先に行って振り返って待ってる子、歩けないなら休めばいいよって笑う子、、、

ねえ、ラストシーン、同級生で肩並べて笑いあってたの見ました?ああ、拓郎、今年は一人じゃないんだって思ったらまた泣いちゃったよ。



主宰・前野祥希さんと《バルスキッチン》
 いい機会だから劇団のことも書いちゃおう。
 登場人物を全員好きになれちゃうバルスキッチンの物語を、自分は「前野マジック」と呼んでいます。
夢を追いかけてる人、夢を叶えられてる人、夢を諦めた人、誰かの夢を応援したい人…いや、結局どんな風でも今一生懸命に生きてる全ての人へ贈るエールを、こちらには何も気負わせないように、笑いの爆弾攻撃の中にこっそり混ぜて投げてくる感じ。ずるいんだよなぁ。毎回しっかり泣かされてる気がする。

…って大真面目に書かれるのはきっとバルス的にも本意じゃないんだろうなと思うので、上記は一旦読まなかったことにしてもらって、「間違いない美味しさと手軽さの両立はコンビニスイーツばり」とだけ覚えてください(?)。

 褒め言葉として「くだらない」を使わせてほしい。全力でふざけ倒してくだらないことも真剣に遊んで見せてくれる人たち。何してんだろ、この大人たちは。そうやって笑い飛ばせることで、肩の力を抜けさせてくれるんだよね。どういう時でも思い出すだけで笑いが込み上げてきてさ、次も見に行きたいな、になってさ、じゃあ明日も仕事がんばるか、になるんだよ。本当、なんか、素直に書くの恥ずかしくなってきたけど、バルスキッチンすげーな。劇団でガチャガチャのマシーンなんて持ってるのってここだけじゃない?
 そういう場所を作ってくれてありがとう。大好きな劇団です。しょうもないイベントの開催とか、何でも待ってます。


春はどぎメモ!それではこのへんで。また来年もこの舞台で春を迎えられると嬉しいなと思います。



舞台の一週間後にアフタートークイベントやってくれちゃうの嬉しくてブログ徹夜で書いたよ、の巻。
自堕落